バロウ・ワイト
| 分 類 | 現代ファンタジー |
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Barrow Wight(バロウ・ワイト)【英語】 塚人(ツカビト)【日本語】 | |
| 容 姿 | 古墳に眠る王や王妃のミイラ。青白い不思議な光に包まれている。 |
| 特 徴 | 悪霊。死体に乗り移って動かす。 |
| 出 典 | トルキーン『指輪物語』 |
古墳で王や王妃のミイラを動かす悪霊!?
バロウ・ワイトはJ.R.R.トルキーンの『指輪物語』に登場する動く死体のこと。 瀬田貞二と田中明子の訳では「塚人(つかびと)」となっているので、こちらの名前で知っている人も多いかもしれない。宝物とともに古墳に安置された王や王妃の死体に邪悪な霊が乗り移ったもので、ミイラ化した身体を装飾品で飾り、歩くときにはガチャガチャと音を立てる。不思議な魔法で古墳へと旅人を誘い込んで、呪いをかけて眠らせて殺そうとする。
物語の中で主人公のフロド・バギンズ一行は塚に魅入られるように入って行き、仲間たちは次々と連れ去られて、眠らされてしまった。しかし、フロドだけは持ち前の強い心で眠らなかったため、フロドはトム・ボンバディルに助けを求め、一行は難を逃れることができた。
どうやらバロウ・ワイトは日光には弱いらしく、朝日を浴びると、悲鳴をあげながら慌てて塚の奥へと逃げ去っている。フロドはミイラの周辺に不思議な青白い光を目撃している。この光こそが死体を乗っ取って動かしている悪霊の本体なのかもしれない。
本来は超自然的な生き物を指す言葉だった!?
近年のファンタジー小説やロール・プレイイング・ゲームなどでは、単にワイト(wight)と言えば、このトルキーンの描いたバロウ・ワイトのことを指す。けれども、もともとワイトというのは《精霊》を意味するウィヒト(wicht)という古代ゲルマン人の言葉に由来する。これは古い時代には「人間」とか「存在するもの」という意味の言葉だったようだが、次第に「超自然的な存在」を指して用いられるようになっていったという。
この言葉には、特別、悪霊という強い意味はなく、善良なウィヒトもいれば、邪悪なウィヒトもいたようだ。この辺のことはキャサリン・ブリッグズが丁寧に文献調査しているが、中世頃には主に邪悪な精霊を意味して用いられるようになった。これが、現在ではトルキーンによって死体を乗っ取る邪悪な精霊にされてしまった。
ちなみに、barrow(バロウ)というのは《塚》という意味なので、古い時代に《人間》を意味していたwight(ワイト)と組み合わせて「塚人」とした邦訳はとても意味深くて上手である。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2012/08/12
