アモン
| 分 類 | 魔法書文献 |
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Amon（アモン）【ラテン語】 | |
| 容 姿 | ヘビの尾を持つオオカミの姿。 |
| 特 徴 | 過去と未来を知り、不和と和解をもたらす。 |
| 出 典 | ヴァイヤー『悪魔の偽王国』（1577年）、『レメゲトン』「ゴエティア」（17世紀頃）ほか |
口から炎を吐き出すフクロウとオオカミの合成獣！？
アモンはソロモン王が使役したとされる72匹の地獄の悪霊の１匹で、ヨーハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』や『レメゲトン』「ゴエティア」などの中世の魔法書文献に登場する。アモンは40個の地獄の軍団を配下に置く序列７番の侯爵で、『大奥義書（グラン・グリモワール）』ではサタナキアの配下とされる。ヘビの尾を持つオオカミの姿で出現し、口元から炎を吐き出す。命じれば口元から犬歯を覗かせたワタリガラスまたはゴイサギの頭を持った男性の姿にもなれる。コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』の挿絵では、何故かフクロウの頭とオオカミの胴と前脚、ヘビの尾を持つ姿で描かれたが、現在では、このイメージで定着している。召喚すると、過去と未来の知識を教えてくれ、また、人間同士に不和を起こしたり和解させたりできる。エジプト神話のアメン神に由来する悪魔ではないかと考えられている。
『レメゲトン』「ゴエティア」に描かれるアモン
17世紀頃には成立していたと考えられている中世の魔法書『レメゲトン』の第１部「ゴエティア」にアイムの記述がある。「ゴエティア」はソロモン王が使役したという72匹の悪霊について、その召喚の手順を具体的に記したもので、必要な呪文や魔法陣、72匹の悪霊たちのそれぞれの能力や紋章（シジル）、召喚に際しての注意事項などが書かれている。「ゴエティア」ではアイムは23番目に紹介されている。
AMON. - The Seventh Spirit is Amon. He is a Marquis great in power, and most stern. He appeareth like a Wolf with a Serpents tail, vomiting out of his mouth flames of fire; but at the command of the Magician he putteth on the shape of a Man with Dog's teeth beset in a head like a Raven; or else like a Man with a Raven's head (simply). He telleth all things Past and to Come. He procureth feuds and reconcileth controversies between friends. He governeth 40 Legions of Spirits. His Seal is this which is to be worn as aforesaid, etc.
アモン：７番目の悪霊はアモンである。彼は最も厳格で、力のある侯爵である。彼は蛇の尾を持った狼のような姿で出現し、口から火炎を吐き出している。しかし、術者の命令で、犬歯を生やしたワタリガラスのような頭の人間の姿になる。彼は過去の未来のあらゆる事柄を語る。また、友人の間に不和を引き起こし、争いを和解させる。彼は40個の悪霊の軍団を統治する。彼の紋章はこれで、前述のように身につける。
（メイザース＆クロウリー『ゴエティア』より）
コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』に描かれるアモン
フランスの文筆家コラン・ド・プランシーが1818年にまとめた『地獄の辞典』は改訂を重ね、1863年の第６版ではブレトンの悪魔の挿絵が加わった。その中でも「アモン」として紹介されている。
（コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』より）
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』（著：草野巧，画：シブヤユウジ，新紀元社，1997年）
- 『Pseudomonarchia Daemonum』（著：Johann Weyer，1577年）
- 『Dictionnaire Infernal』（著：J. Collin de Plancy, 1863年）
- 『The Book of the Goetia of Solomon the King』（著：S.L.MacGregor Mathers／Aleister Crowley, 1904年）
Last update: 2020/04/07
