油すまし
分 類 | 日本伝承 |
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油すまし(アブラスマシ)【日本語】 | |
容 姿 | 姿は不明。現代の妖怪画では蓑を羽織ったすまし顔の妖怪として描かれる。 |
特 徴 | 「昔、油すましが出た」と噂すると「今も出るぞ」と現れる。 |
出 典 | - |
噂をすれば影……的に「今も出るぞ!」と出現する!?
油すましは熊本県の天草に伝わる妖怪だが、『天草島民俗誌』の中で、老婆と孫が草越峠を歩いているときに、老婆が「この峠には昔、油瓶をさげたものが出た」などと孫に話すと「今も出るぞ!」と油すましが出現したという伝承のみが残されていて、詳細はよく分からない。妖怪の噂話をすると、その妖怪が出現するというタイプの怪異譚に分類されるが、京極夏彦は、ツルベオトシやサガリなどのように上から油瓶が下がってくる怪異ではないかと分析している。
現代では、蓑を羽織り、油瓶を持ったすまし顔の妖怪として描かれることもあるが、これは水木しげるの影響だが、天草の伝承とは無関係である。また、映画『妖怪大戦争』(1968年)では妖怪たちの参謀役として登場したため、頭がよいなどの設定が付されていることもある。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/04/06