2023年8月23日 演者は安全な舞台を設計するのが務めではないのか!?

DJ SODA氏の件を引っ張るのもどうかと思いながら、もう少し書いてみたい。

DJ SODA氏は「DJをして10年経つが、公演中にこんなことをされたのは初めて」みたいなコメントをしていたが、過去の公演でも同様の事態が発生していたことが徐々に報じられ始めた。特にタイでの出来事は、中国メディアも「見知らぬ男がDJ SODAを触った」と報じていて、問題視されていたようなので、必ずしも今回の公演が「初めて」ということではなさそうだ。勿論、当人の感じ方というのもあって、この程度のボディタッチはオッケィ、でもここからはアウトという個人的な線引きはあると思う。その意味で、彼女の中の一線を超えた事態という意味で「初めて」なのかもしれないが、でも、ことさら初めてを強調するのは、あまり誠実ではない印象はある。

そして、前回の記事でボクは「彼女のパフォーマンスはとても危険で、たまたま今回、事件が起こったのが日本だっただけで、ほかの国でも同様の事件が起こった可能性は高い」と書いたわけだけど、タイを含めて、危ういシーンはあちこちのイベントで散見されているようだ。結局は、触ったヤツが悪いんだけど、でも、パフォーマンスの安全を担保することは、プロの演者の仕事のひとつでもあると思う。過去に何度も似たような危うい事態が発生していたのであれば、演出を見直すなどの対応をすべきだったし、何よりも彼女のマネジメント会社が早急に対応を打っておくべきだった。イベント運営会社も同様だ。今回のイベントは「タイの水かけ祭り」をモチーフに、日本や韓国でフェスを展開している。当然、タイのイベントが先んじてあったわけで、課題も分かっていたわけだから、ちゃんと対策を練るべきだったはずだ。

興奮した観客の集団に接近するというのは、別にDJ SODA氏に限らず、どの演者にとっても危険な行為だ。身体を触られるに留まらず、観客席に引き込まれるとか、怪我をさせられるという事態だって起こり得る。熱狂的でネジの外れたファンがいないとも限らない。ファンが怪我をする恐れだってある。だからこそ、危うい演出を放置して許容したマネジメント会社と運営には大きな責任があるし、DJ SODAもプロの演者であればこそ、観客との接触のリスクを想定して、それ相応の対策を採るべきだった。

衣装の是非とか、表現の自由の話じゃない。セカンドレイプの話でも、日韓関係の問題でもない。もっとシンプルに、安全・安心なショービジネスという観点で問題があったのではないか。