2023年8月11日 観たいものを観るし、読みたいものを読むし、聴きたいものを聴く。

8月9日の記事YouTubeのナンバーワンはYouTuberであるべきで、ヴァンビがスパイダーメーンだったという話をしたが、それに絡めて、Short動画についてボクの思うところを書いてみたい。

随分前から、若者たちの間でTikTokが流行っているのは知っている。それに押される格好で、YouTubeもYouTube Shortに力を入れている状況だって把握している。InstagramやFacebookでもリール動画が流れていることも知っている。

こういう短い動画は目を引く。パッと目の前に出されて、思わず見入ってしまうこともある。ボクの場合はFacebookとかで、よくそういう事態に陥る。そして、うっかりすると2つ目、3つ目と引き込まれそうになって、はたと我に返るなんてこともしばしばだ。

だから、こういう動画が、ものすごい訴求力を持っていて、意識が埋没してしまうこともよく分かる。うまいやり口だな、とも思う。

でも、積極的に自分からアクセスするかと言われると、そういうものではないような気がする。少なくとも、ボクの感覚からすれば、たまたま記事を見ているときに目の端に動画が入って、「ん? 何だろう、これ?」と引き込まれるような状況はあっても、自ら、「何か面白い動画はあるかな?」と探しに行くような類いのものではない。

電車やバスに乗っていると、若者だけではなくて、おじさんも含めて、スマホでわざわざTikTokのアプリを立ち上げて、自らアクセスして動画を楽しんでいる。そして、動画が終わればスワイプする。あるいは自動でスワイプされていく人もいる。実は、ボクにはこれが信じられない。何を見るかを閲覧者は能動的に選んでいないのだ。向こうが次々と投げつけてくる動画を「見る」か「飛ばす」の二択で選んでいる。

もちろん、見る見ないの選択をしていくプロセスの中で、AIが閲覧者の趣味嗜好に合わせてそれなりに適切な動画をチョイスしてくれているとは思う。実際、見ている人によって、流れてくる動画は全然、違う。でも、せめて可処分時間を楽しむ動画くらい、自分で選ぼうよ、と思ってしまう。

ボクは飛行機に乗るときだって、機内の映画はほとんど観ない。「観たい」と常々思っている映画がたまたまやっていれば、観ることはある。でも、たまたま機内で上映していたから観るという姿勢は、ボクは違うと思っている。ボクの場合、かねてより観たいと思って観れずに溜まっている映画はDVDで購入して、持参してパソコンで観る。積読で読めずにいる本を片っ端から機内に持ち込んで読む。ダウンロードしたものの落ち着いてゆっくり聞けなかった民族音楽のCDなんかを聴く。誰にとっても時間は有限なのだから、観たいものを観るし、読みたいものを読むし、聴きたいものを聴く。

そういう観点では、ぽん、と目の前にオススメされた動画を精査することなく、可処分時間を差し出すのは、どうなのかな、と思う。そういう意味では、Short動画の面白さは分かるんだけど、結局、時間の浪費で終わってしまうような気がして、ボクはネガティヴな印象を持っている。