2021年2月10日 相手を深く思い遣る心と言葉

1月に学生時代の知人からメッセンジャーで連絡があった。毎年1月1日に発行している雑誌「近況報告の本」を送って欲しいというメッセージで、住所が記載されていた。珍しいこともあるものだ、と思って封筒に入れて雑誌を送った。

彼は学生時代、「映画監督になる!」と豪語していた。一度、彼が映像をつくったことがあった。5分ちょっとの映像だったけど、面白かった。おそらく、Adobe社のPremiereとAfter Effectsを使ってつくったものだった。キャンバスの絵から別のシーンが立ち上がってきたときには、ちょっとビックリして、舌を巻いた。

そんな彼は大学の途中からおかしくなって「僕が映画監督になるには何回か転生しないといけない」「だから今の人生などどうでもいい」などと言って、捨て鉢になって、何もかもを投げ出した。

そんな彼だったので、メッセンジャーで連絡があって、何があったのだろうと思って心配した。そうしたら、本日、ものすごく丁寧な手紙を頂戴した。彼の近況と、雑誌の感想が記してあった。

彼の文章に心洗われた。何だろう。相手を思い遣り、それでいて心の底から発せられた言葉というのはこんなにも強いのか、と唸った。言葉の端から端までが、彼の飾らない気持ちを表現していて、それでいて優しい。人間、こんなに強烈な言葉が書けるものなのだな、と思い知らされた。そして、この手紙を読んで、ああ、彼は復活したのだな、と分かって嬉しかった。