2015年1月11日 動物園にて

野毛山動物園に行ってみる。横浜市民なのに初めての来園だ。ツクル君は初めて目の当たりにする動物たちに興奮しているように見えるが、果たして、分かっていて眺めているのかどうなのか?


アムールトラ、でかいッ!?

それにしても、動物園なんで高校生以降、行ったことなかった。思いのほかトラやライオン、クマが大きくてビックリする。写真で見慣れていても、テレビで動いているところを観ていたって、現実にこうやって目の当たりにすると迫力があるし、イメージとのギャップがある。トラもライオンも、何度も図鑑を広げて絵に描いてきたボクなのになあ……。

大昔には、ライオンはもちろんのこと、トラだって日本に棲んでいなかった。誰も見たことはなかっただろう。それでも、インドや中国の文献を経由して、そういう動物の名前とイメージは日本に輸入されていた。鬼はトラのパンツを履いているし、一休さんは屏風からトラを出してくれ、と要求するのだ。ましてやライオンなんかもっとよく分からないから、もう、獅子という別の怪物になってしまっている。

そういう時代から比べれば、写真や動画があって、メディアがあるボクたちはラッキィで、幸せだ。それでも、現物を見ると、やっぱり感動するし、イメージとギャップがあるのだから、昔だったら尚のことだ。

古事記に「和邇(わに)」という生き物が出て来る。「いなばのしろうさぎ(敢えて平仮名!)」が背中をピョンピョンと渡って行く例の生き物だ。これはサメのことだ、と説明している本もある。日本にはワニがいないし、サメのことをワニと呼んでいる地方がある、というのがその理由だ。でも、それって本当だろうか。何故、サメのことをワニと呼ぶのか。先にワニのイメージがあって、混同された、と考えるべきで、やっぱり、「和邇」は読みの通りにワニなのでは……?

そんなことを、動物園で考え込むボクである。