2022年5月6日 南米の妖怪をまとめてみた。

9月頃から、『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)に載っている妖怪を軸にウェブサイト「ファンタジィ事典」を順次、更新して来た。中南米の妖怪について言及するウェブサイトは少なく、一方で紹介されている妖怪の特徴がそれなりに面白そうだったので、せっかくならこの本に載っている妖怪を一気に紹介してしまおうという試みだ。

こうやって、1冊の本を潰していく作業は、中途半端にあちこちつまみ食いしながら自由気ままに更新作業をしてきた今までのボクにしては珍しい方向性だ。でも、あるジャンルを突き詰めることは、事典としての価値を高めるので、いずれは必要な行為だと思っていた。その意味では、本書は項目数も記述量もちょうどよかった。そういう新しい試みのつもりで始めてみた。

しかしながら、南米の妖怪となると、参照できる資料はなく、ほぼこの本だけが頼りになる。そうなると、畢竟、この本の写しになってしまうので、それはそれで問題だ。そこで、まずはスペイン語とポルトガル語のWikipediaを参照して、スペルや字義、特徴を確認することとした。それから、Wikipediaで英語表記を確認して、Googleで英語検索して、上位5件くらいの内容を確認した。その上で、Google画像検索で外見の描かれ方を確認した。英語であんまり引っ掛からないものは、スペイン語やポルトガル語で検索して、上位5件を確認した。基本的には、そうやって確認が取れた内容を掲載することにした。

このプロセスでやってみた結果、著者のホセ・サナルディ氏が、日本で南米の妖怪があんまり知られていないのをいいことにいい加減に書いた素人というわけではなく、信憑性の高い著述家であることが確認できた。また、本書を書くに当たって、おそらく彼がスペイン語やポルトガル語のWikipediaを参照していないだろうことも確認できた。ほぼ全ての項目で、Wikipediaに書いてある内容と本書の内容は合致するんだけど、Wikipediaにかなり詳述されている内容が、本書ではほとんど触れられていない。だから、Wikipediaとは別の情報に基づいて本書を記述しただろうことが分かった。アルゼンチンの人だけあって、スペイン語圏の妖怪の記述はほぼインターネット上の情報と合致する一方で、グアラニー神話やインカ神話などはあんまりフォローされていなくて、あくまでもそういう神話から派生した民間伝承的な要素だけが拾われている印象を受けた。大昔の神話・伝承は彼の対象の外にあって、あくまでも、現代の人々の間で語られる妖怪像にフォーカスしているようだ。

いくつか、本書でしか見つけることができなかった記述もある。カアーポラの記述の中で、マテ茶と結び付けるような記述はインターネット上で見つけることができなかった。また、イルペの二人の女も、インターネット上で見つけることができなかった。そういうものは、その旨を記述して、項目を記載した。

南米の妖怪へのアプローチは初めてなので、どの程度、自分の解説が妥当なのかは自分自身では評価できないが、発想として面白いな、と思ったのは、チェルーフェという妖怪だ。岩石とマグマでできた巨人ということで、最近のファンタジー映画のラスボスとしてCGで登場しそうな新しさを感じる。パテターロは糞尿で満たされた桶に片足を突っ込んだ格好の妖怪だが、どうしてこういう妖怪を着想したのかな、と思うと妙におかしい。セグアなんて、とても今風で、都市伝説っぽい。いずれにしても、一応、丁寧な確認作業は実施した上で、ウェブサイト「ファンタジィ事典」南米の妖怪をまとめてみたので、是非、参考にしてもらえればいいな、と思う。

2022年5月11日 陸の孤島への連絡船!?

個人でウェブサイトを運営する人はどんどん少なくなって、年々、それぞれのSNSのプラットフォームで活躍する人が多くなっている。幸いなことに、ウェブサイト「ファンタジィ事典」に関して言えば、世界の妖怪を検索するような物好きな訪問者が、毎日100人以上はコンスタントにアクセスしてくれているし、薄利多売ではあるけれどAmazonアフィリエイトの収益もぽつぽつとあがっている。それでも、SNSの世界からは切り離されていて、日々、取り残されているような寂しい気持ちになる。

日本は共感の文化と言われていて、「いいね」を押すようなスタイルの活動がウケる。そういう意味では、共感型のウェブサイトであるSNSの方が向いている。一方、情報蓄積型のウェブサイトは一見さんがアクセスする。この双方をうまくリンクさせられないかな、と最近のボクは思っていて、その打開策のひとつとして、Facebookページをつくってみようかな、と思っている。日々の情報発信はFacebookでやって、共感型の部分を担ってもらい、情報蓄積型のウェブサイトに誘導していくようなアプローチだ。こうすることで、陸の孤島になっているウェブサイトに、連絡船を出すことができる。大陸と横断できるようになるかもしれない。

そんなことで、もう一度、緩やかにウェブサイト運営に力を入れようかな、と思っている次第である。さてはて。

  

2022年5月15日 SNSを駆使したい!?

右も左も分からないまんま、取り敢えず海に向かって舟を漕ぎ出している状態だ。FacebookとTwitter、そしてpixivを回しながら、何とか形に出来ないかと暗中模索で、YouTubeとInstagramはアカウントは取得したものの、アイディアがないため一時保留だ。

pixivはずぅっと前からやっていて、絵を描いては投稿していた。どちらかと言えば、絵を描いた感想の立ち位置で投稿しているイメージだ。ここからウェブサイト「ファンタジィ事典」に誘導できる。これは引き続き、続けていく方向性だ。Twitterも、絵を描いたタイミングでツイートしていた。単に「今、描いたよー!」という現在位置的な位置付けでツイートしていたんだけれど、今後はもう少しその妖怪に関する簡易な情報を載せてもいいかな、と思っている。Facebookについては現時点では使い方は模索中だけれど、神話・伝承関連の書籍を読んだときの感想と、絵を描いたタイミングに簡単な妖怪の概要を載せていって、蓄積していこうかな、と思っている。そして、Facebookページも作ったんだけど、こちらはもう少し厳密に、積み上げた情報をまとめるタイミングで更新していこうかな、と思っている。

そして、今後の予定として、当面、ジャンルを決めて、5つくらいの絵を描いていこうかな、と思っている。目下のところ、フィリピンの妖怪を5つくらい描いてみて、それをそれぞれのSNSにアップしながら、5つまとまった時点で、まとめ記事を書いてみたいな、と思っている。これをルーチンでやっていけるようになったら、ちょっと面白い展開になるのではないかな、と想定している。

そんなこんなで模索中ではあるものの、SNSを活用しながらの方向性なので、煩わしいところではあるんだけど、しばらくは雑記にこうやってアイコンをペタリコ、と貼り付けておこうかな、と思っている。

  

2022年5月26日 北海道で語られれば、もうこの事典に掲載!!

この本、実に面白い。表紙とは裏腹に中には一切絵がなくって、ゴリッゴリの事典である。書き手の感情などもなく、淡々と集めた情報が記載されている。よくもまあ、こんなに北海道だけで怪異と妖怪を集めたなあ、感心する。しかも古いアイヌの伝承から現代妖怪に至るまで、非常に幅広く怪異と妖怪を収集している。

面白いのは、広く各地に知られているような怪異や妖怪であっても、ひとたび、北海道を舞台に語られてしまえば、この本に掲載するという選定基準は新しく、多分、今までにそういう形でも事典はなかった。

どんどん、地域ごとにシリーズ化して出版されているらしいので、東北、関東……と追いかけていきたい。監修は朝里さんという方で、北海道出身の方らしいが、シリーズは各地のライターさんが書いているらしいので、その辺の構成なんかも、どうなっているのかな、と非常に興味がある。

『日本怪異妖怪辞典 北海道』(著:朝里樹,笠間書院,2021年)

  

2022年5月28日 リスタート

6月1日からパキスタンに行く。新型コロナウイルス感染症の蔓延から約2年。ようやく海外生活がリスタート。スーツケースを引っ張り出しつつ、準備の仕方をすっかり忘れてしまった。いつも何を持って行っていたんだっけ? 取り敢えず、コーヒーセットは準場完了。どこの国に行っても、朝のコーヒーだけは欠かせない。

  

2022年5月30日 中田あっちゃんのマンガ『曼陀羅東京』が面白い。

YouTubeで毎月、ボカロ楽曲をリリースし、それに合わせてスマホコミックが1話公開される。

ボカロ曲「成仏させちゃうぞ」はボカロ曲の要素をこれでもか、と詰め込んでいて、「これがボカロでしょ!?」感が満載。いろんな歌い手さんが歌って、盛り上がるとよいな、と思う。

Twitterにも書いたんだけど、ボカロ曲は非常に緩やかに拡散されていっている印象。でも、その拡散力は現時点では非常に緩やかだ。どこかで爆発するんだろうか。有名な歌い手さんがどこかで食い付けば、どーん、と広がる可能性もあるのかもしれない。

普段、「歌ってみた」を聞く習慣はないんだけど、今回、歌い手によって楽曲の雰囲気ががらり、と変わるのは面白いな、と思った。「成仏させちゃうぞ」をファルセットで歌う人もいれば、シャウトして歌う人もいる。それぞれが個性があって面白い。にゃるほど、若者はこういう文化の楽しみ方をしているのか、と新しい楽しみ方を発見した感じ。

マンガについては、絵に対するネガティブな意見が多いことに驚いた。ボクはこの絵柄もよいと思う。絵に動きがあるし、コマからはみ出したりして、とてもポップ。今風で、味があって、かわいい。キャラクタが魅力的に描けている。事前に設定を読まないと人間関係が分かりづらいところはあるが、そういうのも、ケータイ小説っぽいというか、今風な感じがする。『ハンター×ハンター』のアニメでも感じたが、キャラクタ同士の関係性をほとんど描かずに、どん、と提示すると、余白ができるので、読み手がいろいろと関係性を想像する。そこに遊びができるので、二次創作しやすい。そういう仕掛けも、同人受けしそうで、よいな、と感じる。

「物語と絵が合っていない」という意見が結構、散見される。でも、一体、どういうことなんだろう。つまり、それって「物語に合う絵」というのが前提として存在していることを意味する。読み手の中に、ある程度、そういうステレオタイプな前提があって、そこから外れると「物語と絵が合っていない」という感想になる。それって、ちょっと頭が凝り固まっていやしないか? そんな風な感性の人が、結構、多いことが分かって、それもまた、あっちゃんが炙り出した新しい事実だな、と思う。

スマホの普及が遅れた日本。だからこそ今、全てをスマホの中で完結させるコンテンツを出して人々の意識改革を促す。そのあっちゃんの哲学に強く共感した。

曼陀羅東京 – 公式サイト