2025年4月12日 雷神になった道真公!?
最近、日本の妖怪の絵巻なんかを眺めるのが趣味のひとつになっていて、いろんな絵巻を眺めながら、「へぇ」とか「ほぅ」などと溜息を吐いている。今日はそんな絵巻の中から『北野天神縁起絵巻』を紹介してみたい。
菅原道真が雷神になって京都の清涼殿を襲ったという話がは非常に有名で、よく御霊信仰の例として紹介される。現代人のボクたちからすると、菅原道真が怨霊と化したと聞くと、垂纓冠をかぶって着物を着た道真公がおどろおどろしい姿になって出現するようなイメージを持ってしまう。でも、『北野天神縁起絵巻』を見ると、完全に「鬼」として描かれている。まさに赤鬼で、もはや人間としての面影はない。そこが現代人の感覚とは違っていて、面白いところだ。
ちなみに、絵巻そのものを丁寧に眺めていくと、宮中の人々が逃げまどっている様がうまく描けていて、とても臨場感があってよい。一方の雷神そのものは結構、お道化た表情で、滑稽な感じがして、あんまり怖くない。それもまた面白いなと思う。