2025年3月25日 脇の甘さを見せたときに鎌首をもたげてくるのが迷信だ
「ゆる言語学ラジオ」から派生した「ゆる民俗学ラジオ」というのがあって、結構、妖怪とか都市伝説に関わる話題も取り扱ってくれるので、面白く聴いている。今回のテーマは「丙午(ひのえうま)」。実際、迷信が出生率にも影響を及ぼすという恐ろしい現象なんだけど、2026年の干支がいよいよ「丙午」ということで、思い切って取り上げたようだ。全3回シリーズだけど、学びも多いので、是非、最後まで聴いて欲しいと思う。
面白いのは、昭和丙午(1966年)の説明だ。近代化が進んだ昭和の日本において、一体、何故、こんなにも迷信が世の中に影響を与えたのか。その仮説が紹介される。よく都市伝説の文脈で、口裂け女を広めた媒体として「塾」の存在が取り沙汰される。子供たちが「塾」というネットワークを介して、口裂け女を日本中に広めた。昭和において、丙午という迷信は撲滅されずに脈々と人々に信じられて、そして出生率にまで影響を及ぼした。それは何故なのか。その答えがひとつの仮説として紹介される。多分、衝撃を持って、そして納得感を持って受け止められると思う。
最後にパーソナリティの黒川氏の迷信に対する立場と意見が表明される。「僕は俗信をナメていない」という宣言が、ボクはとてもよいと感じた。迷信なんて消えてなくなると誰もがナメている。でも、黒川氏はナメていない。「脇の甘さを見せたときに鎌首をもたげてくるのが迷信だ」と彼は断ずる。そのとおりだと思う。ボクたちはそこに自覚的でなければならないのだと思った。
彼の問題提起も含めて、そんなことを考えさせられる良質な動画だった。