2019年1月6日 懐古主義と旬の文化

最近のテレビを見ていると、どうも、我々の世代の懐古主義が蔓延っている印象を受ける。我々が子供の頃に流行っていたものを再登場させている印象だ。「懐かしいな」と思うけれど、でも、今の若者の感覚からすれば「古臭い」と感じるのではないか。我々の世代に向かって意図的に番組を作っているというのなら、それはそれでいいが、ボクはそうではないと思っている。クリエイティヴな現場で活躍している世代の意思決定をしている人たちが、ちょうどボクと同じ世代だから、何となく、彼らが懐古主義に囚われているのではないか。そう疑っている。

若かりし頃のボクは、テレビの前でずぅっとイライラしていた。古臭いスターなんかをテレビに引っ張り出してきて「昔、すごかった人です」なんて紹介されて、出演者がテレビの向こうで「すごい、すごい」と絶賛しても、ボクには全ッ然、分からなかった。「そんな過去の骨董品ではなく、今、まさに旬の人たちを出してくれないか」と憤っていた。それってボクだけではなかったはずだ。ボクたちは高校生の頃、みんなで「もっと新しい文化をテレビに映せ!」と憤っていなかったか。

ボクたちは大人になった。それなのに、ボクたちの世代が同じように懐古主義に囚われている。そんな気がする。そうだとしたら、それって「老害」だ。

懐かしさもよい。でも、それはそういう番組でやればいい。それよりも、やっぱり旬のものを旬のうちに。そういう方向転換をしてあげた方がいい。今、まさに最前線でクリエイティヴな活躍をしている上司の世代として、そんなことを思う回数が増えている。