2016年6月6日 復刊ドットコムがやりおった!?
たまたま尾崎かおりの新作『人魚王子』を探して入った本屋で、新着コーナに佐藤有文の『世界妖怪図鑑』が1冊だけ並んでいてビックリして、思わず二度見、三度見してしまった。裏返したら、復刊ドットコム。ずぅっと復刊希望のランキング上位にいたわけだけど、遂に復刊まで漕ぎ着けたわけだ。ネタとして、迷わずレジに持っていってしまった。本屋には置いていなかったが、『日本妖怪図鑑』の方も少し前に復刊しているらしい。
それにしても、いい意味でも悪い意味でもいい加減な時代だったのだなあ、と思う。引用されている画像と解説は8割方合っていない。解説では中世の悪魔を紹介しているのに、引っ張ってきている図像は、似たような姿をしたインドの神さまだったりする。ちゃんと解説が書けている項目もあるので、その文献には当たっているわけで、ちゃんと文献を読んでいないし、まるで誠意が払われていない。こんな杜撰な(あるいは悪意ある)クオリティで本になってしまうのだから、大らかだったとは言え、すごい時代だよなあ、と思う。そんなアレな本なので、復刊は難しいだろうな、と思いながら、復刊リクエストに要望を出していたボクだったけれど、まさかまさかの復刊である。
「この本には、みなさんのよく知っているフランケンシュタイン、ミイラ男をはじめ二百種類もの妖怪と悪魔が百種類のっています。これ一冊で世界の妖怪はすべてがわかります」と書いてあるけど、完全に誇大広告だ(笑)。たかだか数百で世界の妖怪の全てが分かるはずはない。ましてや解説はいい加減な極まりないのだから、性質が悪い(笑)。