2014年6月26日 写真撮影からの買い物行動!?

Amazonがスマホ市場に参入するらしい。まあ、なかなか大変だろうなあ、とは思うけど、そんなことよりも、そのファイアフォンの特徴が興味深い。3D認識技術で、カメラで撮影した画像(書籍が中心だけど)が、商品と紐づくらしい。つまり、何気なくいいな、と思って撮影した画像(書籍が中心だけど)が、Amazonの商品とリンクできちゃうわけ。同様に、商品にくっついているバーコードや文字も認識して、商品と紐づいちゃうらしい。その他にも、流れている音楽を拾って、商品と紐づける、なんてこともできるらしい。そういう商品との紐づけに特化したスマホだ。

これって、すごいことだ。街をぶらぶらと歩いているだけで、興味のある対象がその場でそのまんま商品に早変わりする。従来なら、「買うぞ!」とお店(本屋さんとか)に入ったり、「買うぞ!」とネットサーフ(Amazonとか)したりする買い物行動じゃなくって、「をッ、これいいね!」という衝動が、そのまんま買い物行動に繋がっちゃう。

確かに、その昔、ネット通販が普及して、買い物の空間的な制約と時間的な制約がなくなった。既存の店舗には大打撃を与えただろうし、物流システムにも大きな影響を与えただろう。でも、この商品紐づけシステムは、それ以上に、買い物の「質」が変わっちゃうくらいの革命だ。

何しろ、「買うぞ!」という気構えがないのに、買い物に繋がっちゃうのだ。偶然ネットサーフしていたらポップアップされたアフィリ広告に魅せられて、思わずクリックして買っちゃう、みたいな偶発的な買い物が、今後はもっと増えちゃうかもしれないということ。そこには売主や広告主が不在かもしれない。ホントに偶然の出会いで買い物が成立しちゃう可能性もある。「あ、何それ、かわいいじゃん。ちょっと撮影させて」という会話からの買い物、というパターンもあるだろう。うっかり「あ、それ欲しい!」などと同調したら「写真に撮っていいよ」などと言われたりもする。盛り上がって買ったけど、結果的に、後から考えたら欲しくもなかった、というケースも増えるだろう。多数か少数かは別にして、そういう買い物行動をとる人たちが出て来るわけだ。

ボクとしては、Amazonが独自のスマホを作っていないで、既存のスマホにそういう機能を付加していくようなシステムやアプリを構築する方が早道だ、と思う。わざわざ購買欲を助長させるようなスマホを「そりゃー、便利だね!」などとみんなが喜んで買ってくれる、とは思えない。どうだろか。

いずれにしても、このファイアフォンで培った技術がどんどん普及していけば、買い物行動が変質する。そこには新しいビジネスが生まれるかもしれない。ボクたちの買い物の中身も、無意識に変わっちゃうかもしれない。注視していきたい。