2021年7月7日 こうえんによにんいました。ふたりがかえりました。さて……
タイトルのとおりだ。
こうえんによにんいました。ふたりがかえりました。さて、いま、こうえんにはなんにんいますか。
小学校1年生の姪っ子が、そんな算数の問題に直面したらしい。当然、「4-2=2」だ。そこで、彼女は「2たり」と書いたらしい。先生は不正解にして、「2り」と直したらしい。姪っ子の母親がこの仕打ちに激怒していた。
さて、「ふたり」は「2たり」なのか。それとも「2り」なのか。それとも「二人」は熟字訓で「二人」と漢字で書いたときにのみ「ふたり」と読むのか。
ちなみに、熟字訓というのは、たとえば「大和」みたいな字のことだ。この漢字二文字を「や-まと」とも「やま-と」とも分けることはできない。あるいは「仙人掌」を「さ-ぼ-てん」などと分けられないのも同様だ。
ちゃんと調べてみると、どうも『日本書紀』(奈良時代)の大和言葉では、人の数え方が、
ひと-たり、ふた-たり、み-たり、よ-たり、いっ-たり……
と「たり」で数えていたらしい。で、「一人」、「二人」はよく使うので、省略されて、
ひと-り、ふた-り……
となったという。今でも田舎の高齢者は「ひとり」「ふたり」「みたり」「よたり」「いったり」と数える人もいるという。ということなので、担任の先生がどこまで自覚的に言っていたのかは分からない。でも、どうも「2り」が正しいようだ。……算数のテストだから、本質的じゃないし、この歴史的なプロセスを小学生には説明できないので、何だかなあ、というところではあるのだけれど。