2020年9月20日 マティーニがカクテルの王様と言われるのは何故か!?
よくカクテルは宝石に譬えられる。でも、正直、ボクは実感を伴って「そうだよなー」って感じたことがなかった。確かにいろんな色がある。キレイだ。だから宝石だとか言われているのだろうなー、と漠然と感じていただけだ。ところが、最近、ステアのカクテルをつくるようになって、考え方が変わった。カクテルと言えばシェイクだと思っていたので、ずぅっとシェイカーを使うお酒ばかり使っていたんだけど、ベルモットはステアのカクテルが多い。前の記事にも書いたけど、ベルモットは足が速い。すぐに酸化する。だから、極力、ベルモットの使うカクテルをつくろうと頑張る。畢竟、ステアのカクテルをつくることになる。
シェイクのカクテルは、材料と氷をシェイカーに入れて、よく振る。中に小さな空気穴があって、空気が混ざるような仕掛けになっている。それがまろやかな味をつくりだす。でも、空気が入り込むので、カクテルとしては少しだけ白濁する。一方、ステアは材料と氷をミキシング・グラスに入れて、そぉっと掻き混ぜる。シェイクもステアもよく冷えるまで混ぜるわけだけど、ステアの方は決して濁らない。透き通っている。ステアのカクテルをカクテル・グラスに注ぐと、キラキラしてとてもキレイなカクテルが出来上がる。
マティーニというお酒が大人気なのも分かるな、と最近になって思うようになった。シェイクよりもステアのカクテルの方がまろやかではないけれど、キレイだ。まさに宝石のよう……。
マンハッタン・ドライ