2026年3月29日 再起と適応:スマホ上陸と独自ドメイン、抗い続ける編纂者

ウェブサイト「ファンタジィ事典」が1,500項目を達成したことを受けて、ちょっとだけ自分のウェブサイト運営を振り返ってみている。

第1回は黎明と黄金期:ハイパーリンクの熱気と個人サイトの黄金時代、第2回は転換と挫折:集合知の台頭と一度目の幕引き。そして今回は第3回。

それでも、ボクはどこかで負けたくなかったのだと思う。個人サイトが消滅していくことが悔しかったのだと思う。白鷹るいさんの「幻想図書館」が2004年11月に閉鎖したときの感情がずぅっと心の中に残っていた。だから、2008年11月、再び、ウェブサイト「ヘタっぴなアルコール蒸留」の再開を決意した。日本へのiPhoneの上陸が2008年7月。TwitterとFacebook、YouTubeが主戦場となり、まさにスマホとSNSの時代の幕が開けた。個人サイトにとっては冬の時代である。それでも、負けるもんかと思った。

もちろん、明確な戦略があったわけではない。2009年4月に「ヘタっぴなアルコール蒸留」からウェブサイト「ファンタジィ事典」だけを分離・独立させる。ウェブサイト運営の目的を明確化して「ファンタジィ事典」に専念しようと思ったわけだ。けれども、これはうまくいかなかった。事典編纂者の顔が見えなくなって、ただの事典サイトになってしまった。

2011年7月には「hetappi.info」という独自ドメインを取得する。そして、再度、「ファンタジィ事典」を「ヘタっぴなアルコール蒸留」の中に再統合する。個人サイト文化が衰退する中、敢えて自分の場所を確保する決意表明でもあったし、少しでも個人サイトとして有利な戦いを仕掛けようと奮闘していた。「日々の雑記」で中の人の生活を見せながら、コツコツと事典を編纂していくスタイルに切り替えたわけである。

WordPressを2014年6月に「ヘタっぴなアルコール蒸留」に部分的に導入した。WordPress自体はすでに2003年に誕生していたが、ボクとしてはずぅっと拒み続けてきた。アップデートのためにメンテナンスしなければならないからだ。でも、導入を決めた。これはボク自身が仕事で海外を飛び回ることが多くなったからだ。SEO的に高く評価してもらうためには、常時、更新して、動いているウェブサイトだと認識させる必要があった。海外に行っている間、ウェブサイトの更新が滞るのはよろしくない。そのため、「日々の雑記」の部分だけをWordPress化して、いつでもどこでもスマホから更新できる体制を構築した。それ以外のコンテンツは静的HTMLのまま据え置いた。

2014年10月にHTML5が標準化され、Webアプリ時代が本格化した。2017年にはそれに合わせて、大幅なリニューアルを実施する。こうして、現在の「ヘタっぴなアルコール蒸留」に至っている。