2025年2月11日 このまんま、だらだらと続いていく

金原ひとみさんの『アッシュベイビー』(集英社文庫,2007年)を読んでいる。昔、『蛇にピアス』(集英社文庫,2006年)を読んで衝撃を受け、その後、Aマッソの加納さんのキウイチャンネルに出演しているのを拝見して、とても穏やかな人柄に驚いた。今更ながら、2作目に着手した感じ。

『蛇にピアス』のときには、全体的にヒリついた感じがした。舌に穴をあけるシーンなんかは、目を覆いたくなる感覚もあったし、入れ墨を入れるシーンや暴力的なシーンもあって、ある種、いろんな種類の「痛み」を見せつけられた感じがした。

今回もそういう「痛み」は健在だ。ナイフを突き刺すシーンとか、動物を殺してしまうシーンなどがある。でも、やっぱりどこか異常な世界観で、エロティックで、何より、とても飢えている感覚が伝わってきた。この「飢え」がずぅっと根底にあって、突きつけられているような感じがして、苦しくなった。

何も解決しない。救いもないのかもしれない。物語は唐突に終わってしまうけれど、多分、このまんま、だらだらと続いていくのだろう。閉塞感が残ったまんま、しこりのようになって終わる。そんな本だった。