2024年8月10日 風船人間。

飽きもせず、そして懲りもせずにオズ・シリーズを描いている。今回は「ルーン」である。オズ・シリーズに登場する風船人間である。バ・ルーンという王さまが統治しているので、ルーンというのは、英語のバルーンに由来することが分かる。

ルーンのイラスト

面白いことに、ルーンたちはすぐにパンクする。尖ったものにぶつかるとあっという間にパンクして、ぺっちゃんこになってしまう。そうなると、仲間たちがまるで自転車のタイヤのパンクを直すみたいに、傷口を修理して、空気を入れて、もう一度、膨らませる。そうやって、また元の姿に戻る。そんなわけの分からない種族がいるのか。そう思わせてしまうところが、ライマン・フランク・ボームの凄みである。

イラストは、あんまりうまく描けなかった。もっと弾んだ感じに描いた方が、ルーン族っぽくてよかったかもしれないし、空気が膨らんで中から押している感じも、もっと研究したらちゃんと再現できたかもしれない。でも、途中で「まあ、いいか」と思ってしまった。圧倒的に鍛錬が足りない。でも、何だかこんなバルーン人形がどこかの店先でふわふわと浮かんでいたような気もして、だったらまあ、風船っぽさもあるのだろう、と納得して、これもまた良しと受け容れることにした。受け容れて、こうしてアップして、公開している。

オズ・シリーズを描くなら、まずはカカシとブリキのきこりと臆病ライオンを描け、という声も聞こえてくるような気がする。でも、みんなが知っているものを描いても、あんまり意味がない。それぞれの頭の中に、それぞれの思うカカシがいて、きこりがいて、ライオンがいる。それはそれでもういいじゃん、と思う。こういうルーンみたいなやつは知らない人が多くって、「あ、そんな奴がいるんすか?」と思って興味を持ってもらえればよい。そう思って下手なりに頑張って描いている。