2024年3月20日 『テロリストのパラソル』を読んだ。
2月から始めた芥川賞と直木賞の作品を読んでみようキャンペーンは、仕事に忙殺されながらも、一応、粛々と続けている。これまでのところ、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』(第155回芥川賞)、朝井リョウさんの『何者』(第148回直木賞)、金原ひとみさんの『蛇にピアス』(第130回芥川賞)を読んできて、今日、藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』(第114回直木賞)を読み終えた。「日々の雑記」のネタ集めも兼ねて企画していたところもあったのに、こんなにちゃんと本を読んでいて、結局のところ、『コンビニ人間』の感想しか書いていない(笑)。そのうち、『何者』と『蛇にピアス』の感想もちゃんと書いてみたい。
今日は『テロリストのパラソル』の感想を書きたい。圧倒的な世界に没入して、夜中まで読み続けて寝不足になってしまった。ハードボイルドだ。登場する全てのキャラクターが賢く、会話の切り返しがうまく、オシャレである。特にインテリヤクザの浅井とか、国会議員の孫の塔子とか、ホームレスのタツとか、どのキャラクターも魅力的だ。こういうのがハードボイルドの楽しみのひとつだ。
一応、ミステリィなのかな。あるいはサスペンス。ハードボイルド系の作品にはよくある話だけど、後出しじゃんけん的な伏線回収が多い。それでも、最後の展開にはビックリしたし、悲しい結末だった。いずれにしても、文章の解像度が高く、ぐいぐいと引っ張られながら、最後の最後まで読まされてしまった。そんな感じ。