2020年9月30日 実は日本こそが発展途上国だ!?

仕事でマラウイに行ったのは2017年のこと。行ったのは商業都市ブランタイヤだ。2019年には首都リロングウェに行った。頻繁に停電するし、通信状況も安定しないし、水も出ない。幹線道路沿いにてんてんと井戸があって、女性が水汲みをしている。ザ・アフリカのイメージそのままだった。

新型コロナウイルス感染症の影響で、世界の行き来ができなくなった。だから、今、ボクたちはZoomやTeamsなどを駆使して、世界とつながろうとしている。

我が社は、ようやく9月になってZoomが使える端末を会社として3台購入して、テレビ会議で世界に挑む体制が整った。そして、先日、満を持してブランタイヤとテレビ会議を試みた。ブランタイヤの通信状況を心配していたが、難なくつながる。音声は途切れないし、映像もクリアーだ。モニタの向こう側で、懐かしい顔。レナさんが手を振っている。

通信環境と契約状況を尋ねてみたら、会社としてちゃんとTelekom Networks Malawiと契約して、端末も1人1台と言えないまでも、それに近いくらい整っているという。新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて、現在は国内他社との会議も全てZoomを使用しているという。もう、当たり前のように、遠隔会議ができるインフラ環境が整備されている。

ボクたちはウェブ会議ひとつ、まともに開催できず、世界に取り残されている。日本が先進国なんて言うのは幻想で、実はボクたちこそが支援を受けなきゃいけない途上国なのではないか。そんな風に思った。ああ、大きな分岐点に立たされているな、と痛感する。

実は、2013年にミャンマーに行ったときにも、不思議な気持ちになったことがある。ボクたちはミャンマーの本屋さんで地図を購入して、紙を広げながら、ミャンマー人に「今、どこにいるのか」と尋ねた。そうしたら、ミャンマー人はささっとスマホを立ち上げて、Googleマップを示し、「ここだ!」と指し示した。当時の日本のスマホ普及率は25%で、ボクたちはそこまでスマホを使いこなしてはいなかった。カルチャーショックを覚えた。

そして2020年。そのギャップはどんどん大きくなる。「ハンコ禁止」とか「いやいや押印禁止だろう」なんて冗談を言っている場合じゃないのかもしれない。