2015年4月21日 外科医の写真

4月21日は、ネッシーが最初に写真に撮影された日らしい。あの有名な「外科医の写真」というのがそれで、81周年らしい。あの写真、そんなに昔の写真だったのだなあ。今はカラーだし、画質もよくなってしまっているので、もう、ああいうペテンみたいなことはしにくいだろうなあ、と思う。その反面、合成とかCGみたいな技術が上がっているので、そういう疑いがかけられる。複雑なものである。

今日のGoogleのDoodleが、そんな「外科医の写真」をシニカルに笑い飛ばす絵だったので、面白かった。

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2015年4月22日 アイダハルという未確認生物の正体!?

アイダハルという未確認生物がカザフスタンのコッコーリ湖に棲んでいるらしい。でも、英語で調べても「アイダハル」という表現に該当する英語には出会えない。大抵、コッコーリ・モンスターとか、コッコーリ・レイク・モンスターと表現されている。ネッシーではなくてロッホ・ネス・モンスターの方が世界一般で知られている名前なのと同様だ。ただし、ネッシー(Nessie)という表現自体は、日本だけではなくて、外国人が使っている例もあるが、アイダハルについては、ほとんど使われていない。どういうことだろうか。

悩んでいたボクは、ふと閃いた。カザフスタンはカザフ語の国なので、アイダハルをカザフ語にすればいいのである! キリル文字でアイダハルっぽい感じにして検索すれば引っ掛かるだろう。そうしたら、驚いたことに、google翻訳にカザフ語がある。だから、まずはこれでやってみたら、ビンゴだ!!

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出た! Айдаһарだ。どうやら《竜》を意味する一般名詞らしい。こうなると、するするといろんなことが諒解されてくる。つまり、トルコのジャノと同じパターンじゃないか、と疑ってしまうわけだ。

トルコのジャノはワン湖に棲む未確認生物だ。トルコ版ネッシーみたいなやつ。ジャノという名称は、Van Gölü Canavarı(ワン・ギョリュ・ジャナワル)に由来していて、Van Gölüが《ワン湖》、canavarが《怪物》を意味する。従って、Van Gölü Canavarıを直訳すれば《ワン湖の怪物》ということになる。ネス湖の怪物、すなわちロッホ・ネス・モンスターと同じだ。

ところが、日本では、この「怪物」の部分だけを抜き出してきて、「ジャノワール」と呼んでしまっていて、誰がつけたのか、愛称「ジャノ」になっている。でも、これは明らかに誤りで、「ワン湖の怪物」を固有名詞的に「ジャノワール」と呼ぶということは、ネス湖の怪物を固有名詞で「モンスター」と呼んでいるようなものだ。

……というような事実は某ウェブサイト上で、トルコ在住の人と高野氏のトラブルですでに周知の事実なのだけれど、このアイダハルも同じパターンっぽいな、と思う。現地の誰かが「コッコーリ湖の竜」と呼んでいたのを、「竜」の部分だけ拾ってきてしまったのだろう。

ボクも含めて、事典をつくる人間は、とかく固有名詞を求めたがる。「テーバイの竜」とか「カウカソス山の鷲」とか「レルネー沼の水蛇」みたいな名前のない怪物よりも、ちゃんと固有名詞がばばーん、とあった方が格好いい。だから、無理矢理、固有名詞を引っ張り出す。そんな事情があったために、コッコーリ湖の「竜」は日本人の誰かによって「アイダハル」という名前を与えられてしまったのだろう。でも、現地でアイダハルを探しても、多分、コッコーリ湖だけに棲んでいるわけではないのだろうな、と想像する。

2015年4月23日 宇宙人には固有名詞が少ない!?

22日の記事の続き。妖怪の固有名詞と言えば、宇宙人には固有名詞が非常に少ない。大概、「○○事件の宇宙人」などと呼ばれていて、宇宙人と遭遇した場所を冠される。例えば、宇宙人の中でも有名な「フラットウッズ・モンスター」はアメリカのウェストヴァージニア州、フラットウッズ町に現れたから、フラッドウッズ・モンスターだ。しかも別名「3メートルの宇宙人」などと呼ばれていて、センスもへったくれもない。そんな中じゃ、「グレイ」は非常に珍しいパターンだし、「火星人」とか「金星人」だって、全体から見れば、非常に珍しい事例と言える。「ウンモ星人」とか「プレアデス星人」なんて、もっともっと珍しくって、非常に貴重な存在だ。

多分、宇宙人に固有名詞が少ないのは、彼らが知的生命体だから、勝手に名前をつけられないからだ。どこの星から来たのかは、目撃しただけでは分からない。彼らの名前だって、実際、コンタクトしてみなきゃ分からない。「体色が灰色だからグレイだ」と命名するのが関の山で、彼ら自身は自分たちのことを「我々はグレイです!」と名乗ったわけではない。

宇宙人に命名するということは、宇宙人とのコンタクティであるということで、頭のおかしい人レッテルを貼られてしまう。それよりも、宇宙人を目撃した、という方が圧倒的にハードルは低い。だから、きっと、「こんな姿のこんな特徴の宇宙人を見た!」という証言で終わってしまう。その結果、「○○事件の宇宙人」という整理になってしまう。

コンタクティの証言の中では、固有名詞が語られる。コンタクティの第一人者と言えば、アダムスキーだけど、彼はちゃんと宇宙人に名前をつけている。金星人オーソン、火星人ファーコン、土星人ラミューだ。コンタクティのカヴァロはクラリオン星人と何度もコンタクトをしている。ビリー・マイヤーもプレアデス星人のアスケット、セムジャーゼとコンタクトしている。要するに、宇宙人と話をしたという域に達しないと、固有名詞が出てこないのである。

そんなわけで、ファンタジィ事典がターゲットにしている妖怪の中には、ボク的には宇宙人も含まれると考えているわけだけど、なかなか更新されないのである。