2018年1月12日 キッチンに足のあるお化け、現る!?
朝、ボクが朝食のサラダの準備をして、妻のちぃ子が息子のツクル氏を起こしに行った。目を擦りながら階段を下りてきた息子に「おはよう」と声を掛けるが、彼は無視。そのままトイレに直行して、「パパはまだ上で寝てるよー。ボクが起こしに行かなくちゃ!」などと言っている。ちぃ子は「パパは起きてるでしょ」と言う。でも、息子は譲らない。「寝てるよ。ボクが起こしに行くんだから!!」。仕方がないので、ここはひとつ、息子の猿芝居にお付き合いしよう。ボクは3階のベッドに潜り込んで、目を閉じる。やがて、ドタドタと階段を昇ってくる足音。「パパー、起きてー!!」。そして、ほっぺたにチュー。ボクはパッチリと目を覚まして「わあ、おはよう! もう朝かー! 眠いー。まだ寝ていたーい!!」などと返す。平和な朝だ。こんなことでツクル氏は大満足。ベッドに寝転がったまま、足をバタバタさせて大喜び。子供だなあ。
ところが話はこれでは終わらない。大急ぎで朝ごはんを食べていると、ツクル氏が顔を寄せてくる。「何?」と尋ねると、声を潜めて「パパ、ボク、お化けを見たよ」と恐々と言う。「いつ?」と訊くと「朝。起きたら、台所に」。ん? 「それって、もしかして、パパそっくりだった」。「そうそう」。何てヤツだ。ボクは「それって、本当にお化けだった?」と訊いてみる。「うん。でも、足があったから怖くはなかった」。何てヤツ。あのとき、ちゃんと認識していたんじゃないか。こっちの挨拶を無視しやがって。その上、「お化けなのに、ちゃんとお皿を机に運べていたよ!」と彼はご丁寧にそんな状況まで説明する。「でも、何でパパ、台所のお化けのこと、知っているの?」。えーい、クソ。「足がある方が、実は怖いんだよ」と脅かしてみる。「えー、怖いー!!」とケラケラ笑う。
それにしても、この息子の帳尻合わせって、一体、何なのだろう。「3階ですやすやと眠っているはずのボク」を創造し、一方で、「実際に台所に立っていたボク」をただの「お化け」に仕立てあげる。こういう想像力というのか、妄想力というのか……。いやはや、子供の発想って、摩訶不思議である。