イーリス

[ギリシア・ローマ神話]

名称Ἶρις〔Īris〕(イーリス)《虹》【古代ギリシア語】
容姿背中に翼を生やした女神。
特徴虹の女神。神々の伝令役。特にヘーラーの使い。
出典ホメーロス『イーリアス』、ヘーシオドス『神統記』、『ホメーロス風讃歌』ほか

天界と地上を結ぶ虹の女神さま!?

ギリシア・ローマ神話に登場する虹の女神さま。背中に翼を生やした女性の姿で描かれる。虹そのものとしても表されるが、天界と地上とを結ぶ、神々の伝令役と見做されていて、神話の中では、ゼウスなどの神々、特にヘーラーの使いとして登場することが多い。

豊穣の女神デーメーテールが、娘がさらわれたことに嘆き悲しみ、仕事を放棄して地上を彷徨ったときにも、ゼウスが、オリュムポスに戻るように最初に説得に当たらせたのはイーリスだった。アポッローンの出産に際して、ヘーラーの嫉妬から出産出来ずに苦しんでいたレートーのために、女神たちに頼まれて、こっそりと出産の女神エイレイテュイアを連れて来たのも、イーリスであった。アルゴー号の冒険やトロイア戦争などでも、しばしば英雄たちの前に立ち現れ、神々の言葉を伝え、英雄たちを導いている。

また、神々の間で争いが起こったり、神々が嘘を吐こうとしたりするようなときには、ゼウスはイーリスを冥府に派遣して、ステュクス河の水を持って来させる。神々はこの水を飲んで宣誓するが、その宣誓に背くと、神々であっても1年間は仮死状態になり、その後、9年間はオリュムポス山から追放されるという。

《参考文献》