インドラ

[インド神話]

名称 इन्द्र〔Indra〕(インドラ)【サンスクリット】
帝釋天(帝釈天)〔dìshìtiān〕(ディーシーティエン、たいしゃくてん)【中国語/日本語】
容姿一面四臂。全身が黄色に輝く。雷の象徴であるヴァジュラを持つ。白い象アイラーヴァタに乗る。
特徴雷霆神。軍神。神々の王。
出典『リグ・ヴェーダ』、『マハーバーラタ』ほか

ヴェーダ神話の雷霆神!?

インドラは古代インドの神話に登場する雷霆神。古くは神々の王として君臨していた。嵐を巻き起こす雷神で、暴風神であるマルト神群を率い、天空を戦車で駆け巡った。雷を象徴したヴァジュラと呼ばれる武器を手に、勇敢な軍神としてさまざまな悪魔たちと戦った。 元々、インドラは天空神ディヤウスと地母神プリティヴィーとの間に生まれたが、あまりに巨躯で、凄まじいパワーを持っていたため、世界の秩序が引っ繰り返るのを恐れた母親に捨てられた。また、父親もインドラに対して敵意を向けた。インドラは放浪生活をしながら、次第に軍神としての力を蓄えていったのである。やがて、旱魃を引き起こして人々を苦しめた悪竜ヴリトラを退治し、ヴリトラが塞き止めていた水を世界に取り戻した。このことから、वृहन्त्र〔Vṛtrahan〕(ヴリトラハン)《ヴリトラ殺し》という別名で呼ばれることもある。また、魔王ラーヴァナ率いる大軍をヴァジュラで一撃にしている。

古代インドでは非常に人気のある神さまだったようで、神々の讃歌集である『リグ・ヴェーダ』では、全体の約4分の1がインドラに捧げられている。けれども、ヒンドゥー教のブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの三大神が台頭するようになり、その立場は後退して、東方の守護神となった。ヒンドゥー教では、しばしば白い象アイラーヴァタに乗った姿で描かれている。

帝釈天って実はインドラなのだ!!

インドラは仏教に取り入れられて「帝釈天(たいしゃくてん)」となった。「帝」という文字がついているのは、インドラが神々の王だった名残である。彼の武器であるヴァジュラは煩悩を打ち砕く法具となった。

《参考文献》