ヘーパイストス

分 類ギリシア神話
名 称Ἥφαιστος〔Hēphaistos〕(ヘーパイストス)【古代ギリシア語】
Vulcānus(ウゥルカーヌス)【ラテン語】
容 姿醜い姿。両足が曲がっている。ハンマーとやっとこを持つ。
特 徴火と鍛冶の神。神々の所有するさまざまな道具や武器をつくる。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

醜さゆえに海へと突き落とされた鍛冶の神!?

ヘーパイストスはギリシア神話の鍛冶の神である。

ゼウスへーラーの子で、火と鍛冶の神として、ハンマーややっとこを持った姿で描かれる。ゼウスが他の女神たちとの間に優秀な子供を産むのに焦ったヘーラーが産んだ子だが、その姿は神々の中で最も醜いとされ、背は低く、両足は曲がっていた。そこで腹を立てたヘーラーによって天界から海へと落とされてしまった。そのため、ヘーパイストスは海の女神テティスによって育てられた。

成長し、天界に戻ったヘーパイストスは母・ヘーラーに素晴らしい椅子をつくってプレゼントした。あまりの出来栄えに喜んだヘーラーが椅子に座った途端、ヘーラーは椅子に縛り付けられて身動きが取れなくなってしまった。こうしてヘーパイストスは復讐を果たしたのである。その上、神々の中で一番美しいとされるアプロディーテーを妻に娶ることを約束させた。

ヘーパイストスはこの椅子だけではなく、神々の持つ不思議な武器や装身具、宮殿などを造っている。一眼巨人のキュクロープスたちを従え、シケリア(シチリア島)の火山地帯の工房でさまざまな道具や武器を造っている。

《参考文献》

  • 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)

Last update: 2011/07/23

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