ダンヴァンタリ

[ヴェーダ・ヒンドゥー神話]

名称धन्वन्तरि〔Dhanvantari〕(ダンヴァンタリ)【サンスクリット】
容姿4本の腕を持つ神さま。アムリタの入った壺、薬草、法螺貝、円盤を持つ。
特徴医神。

神々を不老不死にした霊薬!?

ダンヴァンタリ神はインド神話に登場する医神。ヴィシュヌ神の化身(アヴァターラ)ともされる。4本の腕を持ち、そのうち1つには不老不死の霊薬アムリタを持っている。インドの伝統的医学であるアーユルヴェーダ医学の神さまで、初めて外科手術をし、アーユルヴェーダを人々に伝えたとされている。

非常に古い時代、まだデーヴァ族(神々)が世界の支配権を確立していなかったときの話。神々が年老いてその権限が衰えてしまい、アスラ族(魔族)が神々から権力を奪おうとしていた。そこで神々は不老不死の霊薬アムリタを造ることにした。そこでヴィシュヌ神はアスラ族と一緒になって天界の海を攪拌することでアムリタを得るという壮大な計画を提案した。神々はマンダラ山を引っこ抜くと天界に運び、ヴァースキ竜を巻き付け、大亀クールマを受け軸にして、一方を神々が、もう一方をアスラ族が引っ張った。こうして神々と魔族による綱引きが始まり、マンダラ山は天界の海の中でぐるぐると回転し、海は攪拌された。やがて攪拌による摩擦熱で山火事が起こり、周辺の生き物は次々と焼け死んで行く。天候神のインドラは必死に雨を降らせて山火事を食い止めたという。また、ヴァースキ竜もあまりの苦しさから首からげえげえと毒を吐き出し、危うく世界を滅ぼしそうになった。そこでシヴァ神がヴァースキ竜の毒を飲み干したという。シヴァ神の喉(のど)が青いのは、このときにヴァースキの猛毒が喉を焼いたためなのだとされる。

さて、そんなトラブルもありながら1000年間も海を攪拌していると(非常に気長な話である!)、次第に海は白濁したミルク状になり、やがて、そこから月の神ソーマや幸運の女神ラクシュミーなどが生まれたが、最後に医神ダンヴァンタリが飛び出したという。

アーユルヴェーダ医学では、施術の前にダンヴァンタリ神にマントラ(真言)を唱え、お祈りをしてから施術を行うという。