マハーヴァイローチャナ/大日如来

分 類仏教
名 称 महावैरोचनmahāvairocana〕(マハーヴァイローチャナ)【サンスクリット】
大日如来(だいにちにょらい)【日本語】
容 姿如来でありながら菩薩の姿。装飾品で着飾っている。
特 徴密教における教主。教えや宇宙の真理そのものを神格化した存在。
出 典『大日経』(7世紀頃)ほか

如来も菩薩も明王も全て大日如来の化身!?

大日如来は密教における教主(最高位の仏)で、密教においては、如来も菩薩も明王も全ての仏尊は大日如来の化身であると考えられている。サンスクリットのマハーヴァイローチャナは《偉大な毘盧遮那》という意味で、毘盧遮那如来(ヴァイローチャナ)をパワーアップさせた仏である。昼夜問わず、世界を照らす存在で、教えや宇宙の真理そのものを神格化した存在である。他の如来(タターガタ)のように、修行の末に如来になったわけではないため、如来にしては珍しく、宝冠や胸飾り、腕輪などの装身具でゴテゴテと着飾っている。

密教においては、この世界は普遍的な智慧の世界である「金剛界」と日常の慈悲の世界である「胎蔵界」の両方からできていて、大日如来はその両方の力を兼ね備えていると考えられた。忍者のポーズのような智拳印をとった金剛界の大日如来は智慧を示し、座禅のポーズのような法界定印をとった胎蔵界の大日如来は慈悲を示し、両者は表裏一体で切り離せない。また、それぞれの世界でさまざまな如来や菩薩に化身して存在する。大日如来は五智如来として、5体の如来で配置される。金剛界では大日如来を中心に、東方に阿閦如来、南方に宝生如来、西方に観自在王如来(阿弥陀如来)、北方に不空成就如来が配置され、胎蔵界では、大日如来を中心に、東方に宝幢如来、南方に開敷華王如来、西方に無量寿如来、北方に天鼓雷音如来が配置される。

《参考文献》

Last update: 2020/05/26

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