ペルセポネー

[ギリシア・ローマ神話]

名称 Περσεφόνη(ペルセポネー)【古代ギリシア語】
Κόρη(コレー)《若い娘》【古代ギリシア語】
特徴ゼウスとデーメーテールの娘。ハーデースに攫われて妻となり、冥府の女王になる。
出典ヘーシオドス『テオゴニアー(神統記)』、アポッロドーロス『ビブリオテーケー』ほか

ハーデースに誘拐されて冥府の女王に!!

ペルセポネーはギリシア・ローマ神話に登場する冥府の女王。元々は最高神ゼウスと穀物の女神デーメーテールの娘で、母親同様に穀物に関係する女神だったと考えられている。しかし、あるとき、冥府の神ハーデースはペルセポネーを見初め、ゼウスに相談する。ゼウスは恋愛に不慣れなハーデースに対し、強引に攫ってしまえばいいと扇動し、ハーデースは黒い馬の引く馬車に乗って突然、大地の裂け目から現れ、花を摘んでいるペルセポネーを冥府へと誘拐した。しかし、どれだけハーデースが歓待しても、ペルセポネーは母親と地上を恋しがって泣くばかり。

一方、地上ではデーメーテールが行方不明になった娘を探し回っていた。全てを天空から見ていた太陽神へーリオスが、ハーデースがペルセポネーを冥府に攫ったことを教えた。デーメーテールはゼウスに抗議したが、ゼウスは「ハーデースならばペルセポネーの夫として相応しい」と言って取り合ってくれない。これに腹を立てたデーメーテールはオリュムポスを去ってしまい、ペルセポネーを探して地上をあちこち放浪した。穀物の豊作を司るデーメーテールが去ってしまったため、地上は不作となった。このため、ゼウスはデーメーテールに対してペルセポネーを返すことを約束した。

しかし、ペルセポネーは冥府でザクロを食べてしまっていた。冥府で出された食べ物を口にしたものは冥府の客となり、冥府に留まらなければならないのである。このため、ペルセポネーは1年のうち3分の1は冥府で、3分の2は地上で暮らすこととなった。

この物語は植物の死と再生を表した神話である。種として蒔かれた穀物は地下にあり、やがて春先に成長して実をつける。ペルセポネーは穀物の種として冥府へ降り、豊饒の女神であるデーメーテールの力よって成長し、実って再び地上へと戻ってくるのである。ペルセポネーが地下にいる夏の間は地上では作物は不作となり、秋から冬にかけて成長し、春になって収穫される、というわけである。

そんなわけで、ペルセポネーは無理矢理にハーデースに誘拐されたわけだが、その後、ハーデースの后となった。冥府生活も満更ではないのか、神話の中では、ペルセポネーはハーデースの傍らにいることが多い。また、ハーデースがメンテーというニュムペーに浮気したときには嫉妬心からか激昂し、メンテーを雑草に変えてしまっている。これがミントになったのだという。

《参考文献》