メーガナーダ

分 類インド神話
名 称 मेघनाद 〔meghanād〕(メーガナーダ)《雲の咆哮》【サンスクリット】
इन्द्रजित् 〔indrajit〕(インドラジット)《インドラに勝利した者》【サンスクリット】
容 姿王子の格好をしたラークシャサ族。
特 徴魔王ラーヴァナの息子。魔術を駆使して戦う。儀式で無敵になる前にラーマ王子の弟に退治された。
出 典『ラーマーヤナ』(3世紀頃)ほか

儀式によって不死身の身体を手に入れる!?

メーガナーダはインドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する魔族ラークシャサ族のひとりで、魔王ラーヴァナの子。メーガナーダは《雲の咆哮》という意味で、これは「雷鳴」を意味する。

メーガナーダは魔術を得意とし、魔術で自分の姿を隠して見えなくし、ナーガの縄で相手の手足を拘束して動きを封じた。『ラーマーヤナ』によれば、同様に魔術に長けたヴィビーシャナだけがメーガナーダの姿を見ることができたとされる。また、メーガナーダは雨のように矢を射かけることができた。

ラーヴァナ率いるラークシャサ族が神々と戦ったとき、メーガナーダが神々の王インドラをも打ち破った。インドラは拘束され、ランカー島に連行された。ブラフマー神がインドラの釈放を求めたが、メーガナーダは自分に不死を与えるように要求した。ブラフマーは不死は自然の摂理に反すると抵抗したが、最終的にはニクムラビの森で祭儀を完了させれば、無敵になるという約束をした。いずれにせよ、この出来事以来、メーガナーダは《インドラに勝利した者》という意味で、インドラジットと呼ばれるようになった。

ラーヴァナとラーマ王子との戦いでは、メーガナーダは大活躍である。姿を隠して、ナーガの縄を投げつけて相手の動きを止めて、大量の矢を射掛ける。一度はラーマ王子と弟のラクシュマナも縄で身動きができず、敗北を喫している。また、ラーマ王子に味方するヴァナラ族(猿族)の戦死者は67億匹にも達したとされる。さらには魔術でシーターの幻をつくって、ハヌマーンの目の前で殺して見せた。シーターを取り戻すことが戦いの目的だったため、ハヌマーンは目的を失って退却した。その間にメーガナーダは粛々とニクムラビの森で祭儀の準備をした。しかし、ヴィビーシャナが策略を見抜いて、ニクムビラの森での祭儀を完成させる前にメーガナーダを倒さなければならないとラクシュマナを出撃させた。そのため、メーガナーダは祭儀を完了しないまま戦場に赴かざるをえなくなった。ハヌマーンやラクシュマナは挑発し、姿を消さずに戦うように仕向け、最終的にはラクシュマナの矢によって頭を撃破されて倒された。

《参考文献》

Last update: 2020/06/06

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