カドゥルー

[ヴェーダ・ヒンドゥー神話]

名称कद्रू〔Kadrū〕(カドゥルー)【サンスクリット】
特徴ナーガ族を生み出した。
出典『マハーバーラタ』ほか

ナーガ族を生み出した「マザー・オブ・ナーガ」!?

カドゥルーはインド神話に登場する女神さま。聖仙ダクシャの娘で、ブラフマーの孫。カシュヤパ仙の妻となり、彼との間に1,000匹のナーガラージャ(ナーガの王)たちを生み出した。まさにマザー・オブ・ナーガである。

白馬ウッチャイヒシュラヴァスの尾の色を巡って、姉妹であるヴィナターと賭けをしている。負けた方が奴隷になる取り決めをし、ヴィナターは「白」に賭けたが、カドゥルーは「黒」に賭けた。そして、翌日、白馬の尾を確認する約束をして2人の女神は分かれた。

実際にはウッチャイヒシュラヴァスの尾は「白」なのだが、カドゥルーは1,000匹の子供たちに、ウッチャイヒシュラヴァスの尾に潜り込んで、尾の色を「黒」に見えるように命じた。こうして、翌日、カドゥルーは子供たちの働きによって賭けに勝利し、500年もの間、ヴィナターを奴隷にしたという。

ちなみに、母親の命令に従わないナーガたちも多くいたため、カドゥルーは彼らに「ジャナメージャナ王によって滅んでしまえ!」と呪ったという。この呪いのせいで、ナーガ族の多くはジャナメージャナ王によって滅ぼされてしまったというから、カドゥルーは母親のくせに非常に身勝手で恐ろしい存在である。

なお、この不当な賭け事のお陰で、カドゥルーの子であるナーガ族(蛇)とヴィナターの息子であるガルダ(猛禽類)は互いに憎み合い、争うようになったという。