カリュブディス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Χάρυβδις (カリュブディス)【古代ギリシア語】
Charybdis(カリュブディス)【ラテン語】
容 姿大渦。
特 徴1日に3回、海水を飲み込んで大渦を引き起こす。
出 典ホメーロス『オデュッセイア』(8世紀頃)ほか

大渦で船を呑み込む怪物!!

カリュブディスはギリシア・ローマ神話に登場する大渦の怪物。シチリア島とイタリアの間にあるメッシーナ海峡の海の底に棲み、1日に3回、海水を飲み込み、吐き出す。そのため、海面には大渦が出現し、飲み込まれた船は戻ってこない。元々、カリュブディスは大喰らいの人間の娘で、空腹のためにヘーラクレースが連れていたゲーリュオーンのウシを食べてしまう。その罰として大神ゼウスに海の怪物に変えられてしまった。カリュブディスはメッシーナ海峡の北側の岸の近くの海底に棲んでいたが、対岸にはスキュッラという別の怪物が棲んでいて、陸から船乗りをさらって喰ってしまう。通過する船乗りたちにとっては、この海峡は非常に厄介な場所だった。

英雄オデュッセウスはカリュブディスに遭遇した場合、船は沈められ、全滅してしまう恐れがあったため、多少の犠牲を覚悟して、敢えてスキュッラの棲む岸側のルートを選択した。そのため、6人の乗組員が犠牲になったが、無事に海峡を通過できた。

この神話に由来して、進退窮まった状況を意味する表現として、「between Scylla and Charybdis」という英語表現が現在でも用いられている。

《参考文献》

Last update: 2021/08/09

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