イスラーフィール

分 類イスラーム
名 称 إِسْـرَافِـيْـل 〔isrāfīl〕(イスラーフィール)【アラビア語】
容 姿4枚の翼を持ち、ラッパを持つ非常に巨大な天使。
特 徴イスラームの天使。最後の審判の際に、合図のラッパを鳴らす。音楽の天使。地獄で苦しむ罪人を見て涙を流す。その涙が洪水になることも。
出 典

涙を流して洪水を起こす天使!?

イスラーフィールはイスラーム伝承に登場する天使(マラク)ジブリールミーカーイールアズラーイールと並んでイスラームの四大天使である。『アル=クルアーン(コーラン)』には直接的には登場しないが、最後の審判の際に、その到来を告げる合図としてラッパを吹き鳴らす天使というのが登場する。これがイスラーフィールであると解釈されている。ラッパを吹く姿で描かれることが多く、音楽を司る天使とも言われている。ムスリムは1日5回、礼拝するが、その際に礼拝の呼び掛けとしてアザーンが唱えられる。アザーンで呼び掛ける人のことをムアッジンと呼び、これを務めると徳が積めるとされる。イスラーフィールは天国におけるムアッジンだと考えられている。

イスラーフィールは地獄を巡回する役目も負っていて、そこで罪人たちが苦しめられているのを見ては胸を痛め、涙を流す。この涙が雨になると信じられているが、アッラーフが止めないといつまでもいつまでも泣き続け、これによって地上は洪水になってしまうという。

イスラーフィールは4枚の翼を持つ天使で、非常に巨大な身体で、天の最下層に立ったときに、頭は天の最上部にある神の玉座に届くという。

ちなみにイスラーフィールはユダヤ・キリスト教の大天使ラファエルであるとされるが、癒しの天使とされるラファエルとは性質はあまり一致しない。

《参考文献》

Last update: 2020/04/19

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