ハルピュイア

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Ἅρπυια(ハルピュイア)《ひったくるもの》【古代ギリシア語】
複数形:Ἅρπυιαι(ハルピュイアイ)【古代ギリシア語】
Harpy(ハーピィ)【英語】
容 姿人間の女性の頭と乳房を持った海鳥の姿。あるいは有翼の女性。
特 徴空から飛んできて食事を食い散らかし、卓上を排泄物で汚す。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)ほか

食卓を汚物で荒らし回る鳥女の怪物!?

ハルピュイアはギリシア・ローマ神話に登場する怪鳥。英語ではハーピィと呼ばれる。人間の女性の頭と乳房を持った海鳥の姿で想像されるが、古代ギリシアの壺絵などでは翼をはやした美しい女性の姿で描かれることも多い。いつも腹を空かせていて、青白い顔をしているという。アエロー、オキュペテー、ケライノー、ポルダゲーなどのハルピュイアの名前が知られている。

ハルピュイアたちはアルゴー号の冒険物語に登場する。ゼウスから予言の能力を与えられたトラーキアのピーネウス王が神々の秘密をもらしたため、ゼウスは彼を罰するため、盲目にした。それだけでなく、彼の食事の時間になると、どこからともなくハルピュイアたちが飛んできて、食物を食い散らかし、卓上を排泄物で汚していく。このため、彼は十分に食事を得ることができず、衰弱していた。英雄たちが乗ってアルゴー号がトラーキアにやって来たとき、英雄カライスとゼーテースがハルピュイアたちを追い払ったため、ピーネウス王は感謝し、この先の航路に立ちはだかるシュムプレーガデスの岩(動いてぶつかり合う2つの岩)を通過する方法を助言したとされる。

このエピソードのために、ハルピュイアは卑しく汚らわしい怪物とされているが、古い時代はクレタ島の風の精霊だったと考えられていて、死者の霊として供物が奉げられていた痕跡も残されている。

《参考文献》

Last update: 2022/05/24

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