バーンニク

分 類スラヴ伝承
名 称 Ба́нник 〔bannik〕(バーンニク)【ロシア語】
容 姿白髪と白髭(しろひげ)の小柄な老人。
特 徴蒸し風呂(サウナ)の精。浴場を守護する。
出 典

サウナの守護霊、仲間を連れて入浴する!?

スラヴ伝承に登場する浴場の精霊。ロシアには伝統的にба́ня(バーニャ)と呼ばれる蒸し風呂(サウナ)があり、バーンニクという名前は、このба́няに由来する。ロシアでは、バーンニクが入浴するための時間を与えなければならないとされ、人間が入浴した後には、彼らのために浴場に石鹸などを残しておくという。そうするとバーンニクが仲間の精霊たちを連れてきて入浴を楽しむという。

うまく彼らと付き合っていけば、浴場を守護してくれる。また、新しい浴場を建てる際には、彼らのために雄鶏を捧げるなどの儀式をする。大抵、湯気の立ち込めた浴場でしか目撃されないため、姿はよく分からないが、長い白髪と白髭(しろひげ)の小柄な老人であるとされる。

間違っても入浴中の彼らを覗いたり、彼らが入浴している最中に浴場に足を踏み込むなど、彼らの入浴の邪魔をしてはいけない。そんなことをすると熱湯を浴びせられて大火傷をさせられたり、皮を剥がされたりし、場合によっては殺されることもある。

バーンニクは予知能力を持っているようで、浴場の扉を少しだけ開けて、裸の背中を風呂場に向けて差し出すと、凶兆なときには爪で突き、吉兆のときには拳で優しく撫でて教えてくれるという。

《参考文献》

Last update: 2020/05/13

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