2020年4月30日 5,000人の不寛容な人々

今日はスピノサウルスの尻尾の話とか、アメリカ国防総省のUFOの話なんかを書こうかと思っていたんだけど、ちょっと気になったので、これらの話はまた後日。

岡村隆史の件である。すでにあちこちで報じられているとおり、深夜ラジオの発言で炎上(?)している。「炎上」というのは語弊がある。週刊誌に報じられて「炎上」させられている。インターネット上の署名サイトでは、NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』からの降板を求める署名活動が進められていて、5,000人が賛同しているという報道もある。

ボクは常に「寛容さ」を訴えている。岡村の発言を擁護するつもりはない。でも、一方で、彼が常に問題発言を繰り返しているわけではない。あの発言だけを切り出して、だからと言って、彼から職を奪ったり、収入を奪ったりすべきほどの悪質さが、そこにはあっただろうか。我々は法治国家に生きている。法で裁かれる以上の刑罰を与える権限なんてないし、そもそも、たったひとつの失言で職を奪っていいはずがない。

世論に忖度するテレビである。この署名活動になびくという決断をするかもしれない。もしもそうだとしたら、テレビ業界はオワコンだ。宮迫を追い出し、徳井を追い出して、岡村まで追い出したら、もう、訳の分からない世論というモンスターに従うだけの、主体性のない存在だ。そんなテレビなんて信用できない。

署名した5,000人というのは、決して、世論じゃない。テレビ局の味方でも、NHKの味方でもない。他人の失敗を叩かずにはいられない不寛容な人々だ。そんな彼らを承認してはいけない。不寛容が王道になる社会なんて、望ましいはずがない。ダメ、絶対。