2014年5月15日 説明して理解を求める。

一般的には、発展途上国の場合、CS(顧客満足)の視点が欠如していると言われている。多分、現時点ではそこまでの意識がない、ということだと思う。でも、カガヤン・デ・オロの人々は結構、その点はしっかりしている。作業するときに、顧客に何らかの影響が出るな、と判断したら、すぐに家々を回って、丁寧に説明して、了解をもらっている。それから作業を開始する。その真摯な姿勢には頭が下がる。作業そのものは、全部、ボクの指示なのだから、尚更だ。

ボクも、日本で施設の設計をしていたときに、事前調査で現場を歩いたことがある。ここで工事をしたら、この辺の家は数時間、車両の移動が出来なくなるなあ、と思って、ためしに数件、ヒアリングをしてみた。特に工場があって、トラックの出入りがありそうなところは、車両移動の可能性とか、希望の工事時間があるのかとか、その辺を訊いてみた。結構、ピンポンを押すのも勇気がいるし、導入部の説明が大変だった記憶がある。でも、その甲斐あってか、工事の際、どの家も非常に協力的だった、と工事部隊から報告を受けた。

何事もそうだけど、事前に丁寧に説明しておくことが大切だ。それが無駄な争いを回避することに繋がる。カガヤン・デ・オロの人々は、小さなことでも、ちゃんと顧客に説明している。いいことである。