2021年2月27日 時代の寵児、新人類

最近、『Win Win Wiiin』は欠かさずに「テレビ」で観ている。今までのゲストは、いわゆるテレビを主戦場にする「芸能人」だった。初回ゲストは手越祐也、第2回ゲストは西野亮廣、第3回ゲストは極楽とんぼの山本圭壱で、一癖も二癖もある「芸能人」。そして、第4回の今回のゲストはヒカルだ。

「今回は大丈夫かな? コケないかな?」といつも心配になる。ずぅっと急上昇にランキングされているわけだし、それに続く出演者は相当なプレッシャーだろう。何しろ、第2回までは注目もされていたし、それなりに旬の人というか、順当に来ていた。ジャニーズを退所した手越祐也、映画「えんとつ町のプペル」で映画デビューを果たした西野亮廣……。でも、山本圭壱のときには「何で今? 大丈夫?」と思った。でも、いろいろあったし、ドキドキ感もあった。その上で、あっちゃんはちゃんと「けいちょんチャンネル」のサクセス・ストーリーを示しながら「今が旬のYouTubeチャンネル」というキーワードで、うまくゲストをWinnerにした。それでは、ヒカルは? どうやって料理する? しかも、今回は初めて、ゲストを事前に周知した状態でのプレミアム配信だ。「どんな大物芸能人が来るかな?」というワクワク感ではなく、「ヒカルにフィーチャーするよ」と喧伝するアプローチだ。宮迫と頻繁にコラボしている相手だし、あっちゃんの「XENO」でも対決している相手なので、伏せておいて直前に「どーん!」と紹介されたときに「何だよ、ヒカルかよ!」となるだろうから、事前周知は正しい判断だ。しかも、ヒカルは生粋のYouTuberだから、コラボを全面に出して、ヒカルファンを『Win Win Wiiin』に誘導した方が再生数もとれる。そういう戦略なのだろう。

ヒカルのトーク力はこれまでの「芸能人」たちと遜色なかった。特に、おしゃべりのプロフェッショナルである芸人が2回も続いていて、それでも遜色なく宮迫とあっちゃんと対峙して見せる腕はさすがだ。ただ、これまではテレビ業界の闇にかなり踏み込んで、ヒリヒリした感じがあったのに対して、今回は彼がYouTubeを主戦場とする人だからか、その辺の話題からは少し離れた。ちょっと距離を置く方向に舵取りをした。そういう意味では、次回以降のゲストに繋げていく意味でのクッション的な回になっていて、テレビとYouTubeの仲介者であるヒカルを、そういう風に使うのだな、と思って、あっちゃんの技量に感心した。その意味では、ヒカルの「どんな風に利用してもらっても構わない」的な割り切りや覚悟も感じた。

そして、タイトルのとおりだ。「時代の寵児、新人類」。ちょうど2021年2月24日の記事で『スマホ脳』という本を紹介したが、情報技術の発展が速すぎて、人間の進化が追いついていない。追いつかないからストレスを感じる。でも、ある意味、ヒカルはこのオンラインの時代に適合して生まれた人間だなあ、と感じた。