2021年3月15日 息を吸うようにCOVID-19

新型コロナウイルス感染症が蔓延した1年前の4月、5月は、ホントにみんなピリピリしていた。咳ひとつしようものなら痛いほど視線が突き刺さる。互いに監視して、ちょっとでもはみだしたら、集中砲火。ウイルスよりも人々の悪意が怖くて、外に出るのが嫌になった。

1年経って、もう、みんなの気は緩んでいる。ワクチンを打つみたいな対処法が見えては来たものの、でも、多分、秋頃になるのだろうな、と思っている今、実リスクは1年前とそんなに変わっていない。それなのに、人混みで、明らかにソーシャルディスタンスを踏み越えて身体を寄せ合うような場面になっても、不快感や恐怖は感じない。誰も何も言わないで押し黙っている。順応してしまって、麻痺してしまった。

1年前は、ものすごく警戒したのになあ。この距離感。こうやって、新型コロナウイルス感染症が日常の一コマのようになっていく悲しさだ。