2014年2月20日 八仙と七福神

日本の「七福神信仰」について調べていたら、どうしたわけか、中国の「八仙」にぶつかった。ボクは中国神話とか道教にあんまり興味を持っていないので、「八仙」なんて、知らなかった。どうやら、中国で仙人と言えば、まず名前が挙げられる8人の仙人らしい。図版を見てビックリ。絵だけ見ると、七福神とそっくりだ。数をちゃんと数えなかったら、見分けがつかない。8人で船に乗っていて、明確に女性だと分かるのは1人。腹の出た仙人もいる。縁起物としてこの八仙の絵をポスタにして貼る、というから、使われ方も七福神と同じだ。八仙は元の頃からあったらしいので、七福神は大なり小なり八仙の影響を受けたのだろう。

日本の「寿老人」や「福禄寿」って、いまいち、ぱっとしない。数合わせ、という感じ。でも、中国の八仙も、いまいち、プロフィールのよく分からないメンバがいて、エピソードの豊富さにもばらつきがある。結局、数合わせ的な感じなのだろう。

末広がりの「八」ということで、縁起としては「八」の方が良さそうなんだけど、どうして日本では「七」になったのだろう。別に「八福神」でもよかったはずだ。実は「七福神」も「八仙」もそうだけど、大きな枠としての数だけは決まっていて、その中でメンバ・チェンジは何度もあったらしい。別の仙人が八仙の中に入ることもあったし、別の福の神さまが七福神の中に入ることもあった。日本じゃ、「七福神」と呼びながら、実際には8人グループとして信仰しているパターンもないわけではないのであって、果たして、この七福神の「七」の意味するところは、何なのだろうなあ。甚だ疑問だ。七福神信仰の成立は室町時代だから、まさかヨーロッパのラッキーセブンに由来する……ということはないだろうしなあ。

「七」といえば、「初七日」とか「四十九日」とか、死者にまつわる行事に登場する。「七夕」や「七草」にも登場するし、「七五三」としても登場する。この辺、何かヒントになるだろうか。