2016年11月18日 伝えたいこと、そして伝えようという意志

日本人は日本語が母国語なので巧みに操れる。それでも人前で喋るのが苦手な人も多い。自己紹介でもっと格好良く喋りたいとか、話し上手な人が羨ましいとか、上司を説得できないとか、営業で顧客の心を掴めないなどと悩んでいる人も多いだろう。

「英語が喋れる」からと言って、海外で通用するわけではない。日本語で格好良く自己紹介できない人は英語でも格好良く自己紹介はできないし、話下手な人はどれだけ英語が堪能だって相手との会話は弾まない。日本語で相手を説得できない人間が、どうやって英語で説得できるというのか。

ボクは日本でしょっちゅうケンカをしている気がする。納得できないと徹底抗戦の構えだ。外国にいたってそれは同じだ。絶対に引かない。納得するまで議論する。それがボクにとっては当たり前だった。でも、今回、パキスタンで一緒になった日本人は驚いたらしい。英語で1時間、相手と侃々諤々とやり合っているボクを見て驚いたのだそうだ。後から人伝に聞いた。

でも、自信満々に言うが、ボクは英語ができない。一緒に海外に行った日本人の中で、一番英語ができないのはボクだ。それでも、現地で一番真剣に口論をしていたのも、間違いなくボクである。これも自信がある。

英語は「魔法の言葉」ではない。日本で仕事ができない人は外国でも仕事はできない。日本語でプレゼンできない人が、日本語で物を教えられない人が、日本語で相手を説得できない人が、海外でうまくできるなんて幻想だ。伝えたいことがあって、伝えようという意志があって、初めて言葉は意味を持つ。それが英語か日本語かの違いだ。