2021年3月18日 それでもやっぱり「差別発言」ではなく「不適切発言」というのが適切では!?

アイヌ差別問題、Twitterもニュースも荒れに荒れている。論点がおかしいような気がするので、もう一度、丁寧に書いてみよう。

「なぞかけ」というお笑いのジャンルは、異なる事象のものが同じように聞こえる言葉として重なるから面白い。そのお笑いの大前提で行けば、あの発言そのものは「アイヌ=犬」という意味で捉えることはできない。だから、結果として「不適切」ではあるけど「差別的」ではない。

言葉そのものは、間違いなく歴史的に「差別」の場面で使われてきた。だから、当然、傷ついた人たちがいる。怒りに震えた人々がいる。それはちゃんと理解すべきで、反省すべきで、謝罪すべきだけど、今回の発言そのものは決して「差別表現」ではない。発言者はアイヌを犬に譬えたわけではないし、アイヌに対して差別意識を持っているわけでもない。結果的に差別として使われたシチェエーションと同じ形になって、差別を強く連想させる。差別に見えるかもしれない。でも、発言そのものは差別しているわけではない。

だから、仮に今回、芸人とテレビ局スタッフの無知が非難されたとしても、決して彼らは差別主義者ではないし、差別をした咎でそしられるべきではない。そこは、ちゃんと分けて議論すべきだ。その辺がごちゃ混ぜになって感情的になって議論されている気がする。アイヌの人々の気持ちは分かる。でも、怒りの矛先は「無知」であることだけにすべきだ。「差別」として彼らを非難するのは適当ではない。