2024年9月17日 日本の妖怪には少しだけ苦手意識がある
ウェブサイト「ファンタジィ事典」、粛々と更新作業を進めている。15日には「大入道」と「遣ろか水」、16日には「ブラーク」を更新して、本日は「人面瘡」と「二口女」を更新した。『幻想動物事典』をランダムに開き、そこに載っている妖怪を問答無用に更新するスタイルに切り替えて運用しているが、どの妖怪を取り扱うかの取捨選択のプロセスで悩まなくなって、いい感じ、いいペースで更新ができている。
『幻想動物事典』は意外と日本の妖怪が多いのが難点だ。ボクは西洋の妖怪から入った口なので、あんまり日本の妖怪は専門ではない。だから、日本の妖怪を更新するときには内心ではドキドキしてしまう。それこそ、日本の妖怪だったらほかに得意な人がいっぱいいるし、当然、ボクたちは日本人なので、日本の妖怪を対象に調査・研究、あるいは創作している人はたくさんいる。ある種のレッドオーシャンだ。激戦区に切り込んでいく怖さはある。だから、あんまり独自の路線にはせずに、たんたんと事実のみを書くように心掛けている。
ただ、日本の妖怪も、ちゃんと勉強するとそれなりの面白さはある。たとえば、昔話の「食わず女房」と「二口女」は、どうも出自が異なるようだとか、二口女は実は人面瘡の系列ではないかとか、深堀するとそういう議論があって、資料を読んでいて、ちょっとニヤニヤしてしまう。あるいは「大入道」は山の怪なので、ブロッケン現象と結び付けて議論されているところもあって、そういうのも、ああ、なるほどな、と思う。『狂歌百物語』の大入道の画なんて、真っ黒い影で、確かにブロッケン現象だと言われれば、そうかもしれないと思わせられる。
ボクはそこまで踏み込んで議論できるほど、情報を持っていないので、ちょっと触れる程度で逃げてしまうんだけど、まあ、そのうち、時間ができたら、日本の妖怪を深堀ってみても面白いかもしれないなあ。