2021年3月28日 実は失敗を繰り返すことが成功の道

他の人から自分がどういう風に見られているのか、正直、分からない。でも、間違いなく「うまくやっている」と思われているだろうな、と思う。「うまくやっている」というのは、失敗していないとか、成功が多いという意味だ。だけど、失敗がないのかというと、決して、そういうことではないのだと思う。自分の中では、日々、失敗の連続である。でも、他の人には「失敗しない人だ」と思われているのだろうな、と想像する。

最近、そのギャップが大きくなってきたな、と感じる。「任せて大丈夫」と信頼されているうちは楽しかったし、「どんどん仕事持ってこい! 自分に任せろ!!」と思って引き受けていた。自分の持てるだけのパワーで、最大の成果を出せばよいと思っていた。でも、段々、そうじゃないフェーズに入っているな、と自覚している。つまり、若手じゃなくなったのだ。チームから自分が抜けることも想定しなきゃいけない。自分がいなくなった後に、誰かがそれを引き継ぐ。その人たちが自分の仕事をやらなきゃいけない。段々、自分の裁量権でできることが増えて、決められることが増えたときに、自分の能力で仕事を進めると、持続可能でなくなることが見えてきた。

そうなったときに「失敗しない人」という評価はよくないな、と思った。もちろん、ボクは自分のことを「失敗しない人」だなんて思っていないし、そんな喧伝をしているわけじゃない。毎日が失敗の連続だと思っている。勝手に周りの人が「失敗しない人」というレッテルを貼っているだけだ。でも、最近、そういうのが邪魔になってきた。「いやいや、私はあなたみたいにはできません」とか「あなただからできる仕事で私には無理」みたいなことを言われることが多くなった。本当は、そんなことはない。でも、実際、そういう風に言われてしまう。

言葉が適切かは分からないけれど、ある種、自分は高圧的なのかな、と思った。「成功」というパワーで相手にプレッシャーを与えているのかな、と。だったら、失敗を開示するべきかな、と思った。失敗している自分をもっと見せていくべきなのかな、と。勿論、ボクが失敗を隠しているわけじゃない。失敗は何度もある。「あ、これはダメなのか」「この方法……でもうまく行かないのか」「それじゃ、このアプローチ……もこういう結果になるのか」「うーん」とか言いながら、最後の最後まで諦めずに喰らいついて、最終的に「あ、うまく行った! これが正解だったのか!」。これがボクのアプローチだ。だから結果的には「成功」している。「いろいろ試行錯誤してうまく行きました」という報告で「失敗しない人」みたいになる。

逆説的に言えば「失敗しました」という報告をしたくないから、諦めずに何度も何度もチャレンジして、成功まで持って行くという地道な作業をしているということ。一足飛びに成功をしているわけじゃない。ひとつだけコツみたいなものがあるとすれば「速く仕事を進める」ということ。失敗したときにリカバーするためには時間が必要だ。手数を増やす必要がある。だから、仕事が回ってきたら、取り敢えず大急ぎで「形」にする。うまく行かなくてもよい。質は問わない。取り敢えず「形」にして「あ、ダメだな」と思って、それからいろんな形を試す。そのための時間を確保するためには、「まだ時間があるから後で考えよう」としないで、その瞬間に「形」にする。そして、限られた時間の中でいろんなアプローチを模索して、失敗をして、最後には成功する。そういう繰り返しが成功に持って行く確度を高める。そのプロセスを、多分、開示しなきゃいけないんだろうな、と最近、感じている。