2021年2月22日 オズの国の住民たちは素敵だ!?

最近、小1のツクル氏が寝る前、毎晩、本の読み聞かせをしている。今はフランク・ボームのオズ・シリーズだ。日本ではかかしやブリキのきこり、臆病ライオンが登場する1作目『オズの魔法使い』しか有名ではない。でも、オズ・シリーズは本当は全部で14作品(+短篇集が1作品)ある。それを順番に読んでいこうというプロジェクトだ。

すでに6作目『オズのエメラルドの都』に突入しているが、面白い。オズ・シリーズは突飛なキャラクターが登場して、面白いんだけど、6作目は集大成という感じで、本当にファンタジーをやっている。何しろ、ロクワットというノームの王が、周辺の極悪な民族と手を組んでオズの国に攻め込んでくるというシナリオだ。ロクワットに将軍に任命されたガプが休むことを知らないキテレツ族、筋肉だけのガリゴリ族、魔法に長けたマボロシ族と交渉して、同盟を組んでいく。その一方で、何も知らずに暢気にオズの国を旅して新しい出会いをするドロシー一行。この2つのプロットが、交互に入りながら、話は進んでいく。

ドロシー一行の旅も面白い。切り紙でつくられた人々が暮らすチョキリンの村、まるでパズルのように、ちょっとした衝撃でバラバラに崩れてしまうゴチャマゼ族の町、包丁や鍋、スプーンなどのキッチン用品の王国、パンが暮らす町、そして野ウサギが暮らす町、クドクドと訳の分からない理屈で話し続けるクドクド族の町、起こりもしないことを心配して大慌てするトリコシ族の村などだ。

ロクワット率いる乱暴な種族たちに対して、オズはどうやって危機を脱するのか……。そして、呆気ない終わり方。それがとてもオズらしくて面白い。

……問題は第6作『オズのエメラルドの都』がどうやっても手に入らないということ。仕方ないので、図書館から借りてきている。いつか入手したいなあ。我が家の本棚に正式にお招きしたい本である。