参考文献(ガイド)

ファンタジィ事典を編纂するにあたって参考にしている書籍について、簡単に解説してみたいと思う。どのような性質の本なのか、購入の際の手引きになれば、と思う。

Truth In Fantasy 事典シリーズ

世界中の神話・伝承に登場する幻想動物たちが非常にコンパクトに、シャープにまとめられている本。1つ1つの項目に割かれているスペースが小さいので、一見、淡白に見える解説なんだけど、よく要点がまとまっている。非常に的を射た解説が書いてある。ボク自身がいろいろ調べてからもう一度読み返しても、大体のところはちゃんと書いてあったりして、素晴らしいな、と思う。1002項目が掲載されているんだけど、何よりも素晴らしいのは、その全てにシブヤユウジ氏の手によるイラストが描かれているという点。随分イメージを助けてくれる。後ろに出典となった神話や伝承の簡単な情報も載っていたりするのもありがたい。入門書としてオススメの1冊だと思う。

シリーズ・ファンタジー百科

「妖精・妖怪」「怪物・神獣」の両方とも、非常に網羅的に世界中の幻想動物の類いを集めてくれている。マイナなものまで多数掲載されていて、圧巻だ。ただし、1つ1つの項目の説明が少なかったり、地方ごとに若干、異なる呼称も別のものとして解説が割かれていたりするので、難解な部分も多々ある。翻訳があんまりにも直截的な感じなので分かりにくいかも。それでも、現在ある書籍の中では項目数、マニアックさともに最高峰なのではないかな、と思う。

世界中の幻想動物を調べる本

306匹の西洋の幻想動物が紹介されている本。何よりもTomoeさんの現代的なカラー絵が描かれているというのが◎。

日本の妖怪について調べる本

日本の妖怪について調べようと思ったら必携。日本全国の非常に多くの妖怪が収集されている。出典も項目ごとに載っているので遡っていきやすい。水木しげるの絵が白黒ながら載っている。村上健司さんによる解説は、ほとんど出典の写しに等しいかな、と思うんだけど、これだけ並べてくれると非常にありがたい。オススメ。

『日本妖怪大事典』が出版される前はこれが一番、詳しかったのではないかな、と思う。五十音順ではなくて地域順に並んでいるので、地域性を鑑みながら妖怪を探せるという点では非常に使い勝手がいいし、文庫本なのもいい。若干、解説が短かったりするけれど、項目も非常に充実しているので、『日本妖怪大事典』の次にオススメ。

妖精について調べる本

  • 『妖精事典』(編著:キャサリン・ブリッグズ,訳:平野敬一/井村君江/三宅忠明/吉田新一,冨山房,1992年〔1976年〕)

イギリスに限定して妖精を調べるのなら、この本が最良。妖精学の権威、ブリッグズ女史がイギリス中の妖精を400種類くらい集めてくれている。妖精の登場する物語のエピソードも掲載されているし、妖精の研究家についても理解できるようになっているので、妖精について詳しく知るにはイチオシの本。図版も多数掲載されていてとてもきれい。妖精研究には必携の本。ただし、訳はあんまりうまくない。

ギリシア・ローマ神話について調べる本

ギリシア・ローマ神話について知りたければ、これ一冊で充分。もう、他には何もいらないという感じ。基本的にはアポッロドーロスの『ビブリオテーケー』の記述に基づいているんだけど、それ他のいろいろな古典を参照にして整理してくれている。ギリシア語表記や地理なんかも載っていて、情報満載である。たまに出典が分からない点が惜しい。一方、これに匹敵するくらいに有益なのは、THEOI PROJECTというウェブサイト。こっちは出典が載っているので、この2つあればギリシア・ローマ神話は怖いものなし。