ウズメ

[記紀神話]

名称天宇受賣命(アマノウズメノミコト)〔記〕、天鈿女命(アマノウズメノミコト)〔紀〕【日本語】
特徴高天原の踊り子。転じて芸能の女神。
出典『古事記』、『日本書紀』

高天原の踊り子!?

ウズメ(あるいはアマノウズメ)は記紀神話に登場する女神さま。アマテラスの岩戸隠れのときに、岩戸の前でウズメが舞った舞いが神楽(かぐら)の始まりと言われており、日本の芸能のルーツとされる。脱ぎたがりで、しばしば官能的なダンスで神々を喜ばせている。

岩戸の前でストリップ・ショー!?

ウズメのもっとも有名なエピソードは岩戸隠れの神話である。スサノヲの狼藉を恐れた太陽神アマテラスが天岩戸に隠れてしまい、世界は真っ暗になってしまった。このとき、オモヒカネの作戦で「祭り」を開催することにし、ウズメは神々の前で舞いを舞った。フトダマが勾玉や鏡のぶら下がった榊(さかき)を高々と掲げ、コヤネがアマテラスを讃える祝詞(のりと)を唱える。そして、ウズメは逆さまにした桶を踏み鳴らして、セクシーに舞い踊る。胸がはだけ、腰布を陰部まで下ろす。それを観た八百万の神々は喜びの歓声をあげた。

アマテラスは「自分が岩戸に隠れて、高天原も葦原中国も真っ暗なはずなのに、何故、みんな笑っているのか」と言いながら、岩戸を少しだけ開いた。ウズメは「あなたよりも尊い神さまがいらっしゃったので、我々は喜んで舞っているのだ」と答えた。コヤネとフトダマが岩戸の隙間から鏡を差し出した。鏡に映る自分の姿を別の太陽神だと思ってアマテラスが岩戸から身を乗り出したところ、岩戸の脇に待機していたタヂカラヲが引っ張り出し、すかさずフトダマが注連縄(しめなわ)を張って、岩戸を封印し、「これより内側に戻ってはなりません!」と宣言をした。こうして、この世界は再び太陽が戻ってきたのである。

サルタヒコをストリップで懐柔!?

ウズメの活躍はそれだけではない。天孫降臨で、タケミカヅチによって平定された葦原中國にニニギが降りていこうとしたときに、天と地の間にある方々への分かれ道、天八衢(あめのやちまた)というところに不審な神が立っていて、高天原と葦原中國を照らしていた。神々が確認に行くが、この神の眼力が強く、みんなすごすごと逃げ帰ってきてしまう。そこで、アマテラスとタカミムスヒはウズメに正体を確認してくるように命じた。ウズメはこの神と対面すると、胸をはだけさせ、腰布を陰部まで下ろした。これにはさすがに参ったのか、神はサルタヒコと名乗り、「天津神を道案内するために迎えにきたのだ」と白状した。ウズメのストリップにたじたじだったのかもしれない。

ウズメ、サルタヒコの妻に!?

その後、ウズメはニニギ様ご一行として葦原中國に降りていった。ニニギは先導してくれたサルタヒコを無事に故郷に送り返す役目をウズメに与えた。また、サルタヒコの名前を負ってサルタヒコに仕えるように命じられている。

このことから、ウズメはサルタヒコと結婚したという民間伝承が広まって、サルタヒコと一緒に祀られていることが多い。村の境界や道路の分岐点などに立てられている道祖神(どうそじん)で、男女対になっているものは、サルタヒコとウズメであると考えられている。

ウズメ、猿女君の祖神に!?

その後、ウズメは猿女君(さるめのきみ)という氏族の祖神になったという。猿女君は、大和朝廷の鎮魂祭儀で舞楽を演じたり、大嘗祭に奉任したりする巫女たちを輩出していった。

《参考文献》