トイポクンオヤシ

[アイヌ伝承]

名称 Toy-pok-un-oyasi(トイポクンオヤシ)《地下にいるお化け》【アイヌ語】
Toy-pok-un-pe(トイポクンペ)《地下にいる者》【アイヌ語】
容姿姿は不明。地表に性器のみを露出している。
特徴姿を見せず、自分の性器だけを見せる妖怪。性行為に応じる振りをすると退散する。

妖怪界きっての露出狂!?

トイポクンオヤシ、あるいはトイポクンペは樺太(サハリン)のアイヌ伝承に登場する妖怪。アイヌ語で「トイ(toy)」は《土、土地、地面》、「ポㇰ(pok)」は《下》、「ウン(un)」は《いる、住む》、「オヤシ(oyasi)」は《お化け》を意味し、その名の通り、地面の下に隠れて姿を現さない。ただし、性器の部分だけを地表に露出させて通行人を驚かせる。

トイポクンオヤシには男女の別があり、男性のトイポクンオヤシの場合、女性が歩いているところに、突如、地表に男性器だけが現れ、上下させる。そんなときには慌てることなく、「お前のだけが立派じゃない。私のだって負けないよ」などと言いながら、前をまくって性行為をする振りをしてみせると満足して消える。女性のトイポクンオヤシの場合、男性が歩いていると、地表に女性器をゆらゆら揺らしながら現れる。このときも「素晴らしい代物だ。負けないぞ」などと言いながら、性行為を真似てみせると満足して消えるという。

《参考文献》

  • 『日本妖怪大事典』(画:水木しげる,編著:村上健司,角川書店,2005年)
  • 『全国妖怪事典』(編:千葉幹夫,小学館ライブラリー,1995年)
  • 『アイヌ民譚集 えぞおばけ列伝付』(編訳:知里真志保,岩波文庫,1981年)