タア・ウェレト

[エジプト神話]

名称𓏏𓄿𓅨𓂋𓏏𓆗Tȝ-wrt〕(タア・ウェレト)《偉大なる女性》【古代エジプト語】
容姿カバの頭、ライオンの四肢、ワニの尾、垂れた乳房、妊娠した腹を持った女神。
特徴家庭と出産を守護。

家庭と出産を守護する庶民の女神さま!?

タア・ウェレトはエジプト神話に登場する家庭と出産を守護する女神。その姿は不思議で、カバの頭、ライオンの四肢、ワニの尾を持つ。胸元には垂れた乳房が強調され、腹は妊娠している。手には守護のシンボルであるサアと生命のシンボルであるアンク、そして悪霊を追い払う松明などを持っている。ハトホル女神と同じ太陽円盤とウシの角を組み合わせた冠をかぶっている。

エジプトでは、他にも出産を司る女神としてカエルの頭を持ったヘケトが知られているが、ヘケトが王侯貴族たちの篤い支持を受けていたのに対して、タア・ウェレトは庶民たちに支持され、大人気だったようだ。机やベッド、椅子などの家具の各所に装飾として用いられていた。また、ペンダントなどの護符にもタア・ウェレトの姿が残されている。しかし、明確な信仰の発祥地は不明で、固有の神殿などはほとんど知られていない。次第にハトホルやイシスなどの他の女神たちと習合していった。

オシリス神話に取り込まれた際には、タア・ウェレトは邪神セテク(セト)の側室として登場する。これはカバが人間に危害を加える動物だったからかもしれない。