乗越(ノリコシ)

[日本伝承]

名称 乗越(ノリコシ)、乗越入道(ノリコシニュウドウ)【日本語】
容姿影法師。最初は小さいが次第に大きくなる。
特徴見ていると巨大になっていく。見下ろす、あるいは「乗越入道、見抜いた!」などの呪文で退散させられる。
出典柳田國男『遠野物語拾遺』ほか

影法師、見つめていると、大きくなり!

日本各地に見越し入道(ミコシニュウドウ)に類する伝承は残っている。最初は小さな姿なのに、見ている間にどんどん大きくなっていく。そして最後には見上げるような巨体になる妖怪だ。いつまでも見ていると命を落とすとか、喉笛を噛み切られるなどと伝わる恐ろしい存在ではあるが、逆に頭の方から見下ろしていけば小さくなって姿を消してしまうとか、「見越し入道、見越した!」と叫べば消えるなどのさまざまな対策も用意されている。

乗越(ノリコシ)、あるいは乗越入道(ノリコシニュウドウ)は、そんな見越し入道のヴァリエーションである。岩手県の遠野地方に伝わる妖怪として、柳田國男が『遠野物語拾遺』の中に紹介している。

性質は見越し入道と似ているが、その姿は影法師のようではっきりしない姿をしているようだ。そして、道を行く人の前に突然、現れる。よく見ようと思って目を凝らすとどんどん大きくなっていく。最初は子供くらいのサイズだったものが、次第に大人よりも大きくなって、遂には屋根よりも高くなる。驚いてどれだけ逃げても、すぐ後ろにいるのだという。しかし、気持ちを落ち着けて頭の方から見下ろしていくと小さくなって消えてしまうのだという。また、「乗越入道、見抜いた!」と叫ぶと消えるという見越し入道と共通した呪文もある。

《参考文献》