ミーン・マハギリ

名称 မင်းမဟာဂီရိ(ミーン・マハギリ)《偉大なる山の主》【ミャンマー語】
မဟာဂီရိနတ်း(マハギリ・ナッ)【ミャンマー語】
(※ミャンマー文字はMyanmar3フォントをダウンロードしてください)
容姿右手に団扇(うちわ)、左手に刀を持ち、皇帝の衣服を着た男性神。
特徴ポッパー山の主。パガン王国の守護神。家の守護神。タガウン王に騙されて火炙りにされ、悪霊となって人々を襲った。パガン王にポッパー山に祀られ、鎮められた。

ミーン・マハギリ、怨霊になって暴れまわる!?

ミーン・マハギリはポッパー山に祀られるパガンの守護神である。元々は怪力で知られる鍛冶屋ウ・ティン・デの息子のマウン・ティン・デという名前の人間だった。彼は父親にも勝る怪力で、軽々とゾウの牙を折ってみせたという。この噂を聞いた当時のタガウン朝の王さまは、マウン・ティン・デが自分の地位を簒奪するのではないか、と恐れ、彼を亡き者にしようとした。それを知ったマウン・ティン・デはジャングルに姿を隠した。王はマウン・ティン・デの姉のソウ・メ・ヤを后として迎え入れると、マウン・ティン・デに高い地位を与えることを約束し、マウン・ティン・デを王宮に呼び寄せるように姉に提案した。こうしてマウン・ティン・デがやって来ると、王は彼を引っ捕らえ、ジャスミンの樹に縛り上げると、生きたまんま焼き殺してしまった。炎の中で苦しむ弟の姿を見た姉も火の中に飛び込み、一緒に死んでしまった。火が消えると、2人の頭部だけが焼け残っていたという。こうして彼らはジャスミンの樹に宿る悪霊ナッになり、近くにやって来る人々を襲うようになった。タガウン王は樹を切り倒すと、エーヤワディー河に流してしまった。しかし、ジャスミンの樹は下流にあるティンリチャウン王が統治するパガン王国に流れつき、そこでも人々を襲い続けたという。2人のナッはティンリチャウン王の夢の中に出現し、これまでの苦境を訴えた。それを聞いたティンリチャウン王は、ジャスミンの樹から2つの首を彫り出させ、ポッパー山に祀らせることとした。こうして、マウン・ティン・デは「偉大なる山の主」としてミーン・マハギリと呼ばれるようになり、パガン王国の守護神となったのである。

やがて、ミーン・マハギリ信仰は庶民の間にも広まり、彼は家の守護神になった。ミャンマーの家の南側には、しばしば椰子の実が祀られているが、これは家の守護神であるミーン・マハギリへの供え物である。椰子の実の果汁が、焚刑に処せられたミーン・マハギリの心を鎮めると信じられているのである。